銀行など金融機関が顧客の依頼によって有価証券,宝石,貴金属などの貴重品を預かる業務のこと。通常は有料である。
保護預りには開封(披封)保護預りと封緘(ふうかん)保護預りの2種類がある。開封保護預りは,その内容を詳細に明示して保管するもので,たとえば有価証券についてその元利金や配当金の取立てや名義書換えなどを依頼することもできる。そして預り主である金融機関は,その明細書の内容どおりのものを返済する義務を負う。封緘保護預りは,顧客が封緘したものの保管を依頼するもので,預り主はその封緘したそのものを返済すればよい。この保護預りを狭義の保護預りといい,法律的には寄託である。また銀行などにある貸金庫を顧客に有料で提供する業務も保護預りの一種である。これは法律的には賃貸借とされている。
なお証券会社が顧客の依頼によって株式など有価証券を預かることも保護預りという。これには,売買取引に付随して,次の売買のために一時的に保管したり買付株式の名義書換えのために保管したりするものと,売買取引と関係なく保管を引き受けるものの2種類がある。そして株式の場合は有料,それ以外の有価証券については無料である。いずれの場合も必要事項を記載した保護預り有価証券明細簿を作成する必要があり,保護預り有価証券明細書を発行する。法律的には寄託となる。
執筆者:黒田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
金融機関が顧客から有価証券、貴金属、宝石、重要書類などの財産を、火災、盗難、紛失などの事故を防ぐために、一定の手数料をもらって保管する業務。銀行法第10条に保護預りの規定がある。広義の保護預りには、(1)披封(ひふう)預り(開封預り)、(2)封緘(ふうかん)預り、(3)貸金庫の3種があり、このうち(3)を除いたものが狭義の保護預りである。(1)はその内容を明示して寄託物を開封したまま預るもの、(2)は寄託物を密封した袋または箱に入れたまま預るもの、(3)は銀行の金庫室内に設置されている保護箱を貸与して顧客に使用させるものである。
なお、貸金庫には、本貸金庫、簡易貸金庫、セーフティケースなどの種類がある。法律的な性格としては、(1)と(2)は有償の保管寄託契約、(3)は保護箱の賃貸借契約である。また、保護預りは銀行業務上は付随業務として位置づけられる。
[井上 裕]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…それぞれの買い方(売り方)を指値買い(売り),成行買い(売り)という。購入した株券は通常,保護預りといって,多少の手数料を払って証券会社に保管してもらうことになる。【原木 保平】。…
※「保護預り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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