(読み)サク

デジタル大辞泉 「錯」の意味・読み・例文・類語

さく【錯】[漢字項目]

常用漢字] [音]サク(呉)(漢)
乱れて入りくむ。まじる。「錯雑錯綜さくそう交錯
まちがえる。あやまる。「錯覚錯誤失錯倒錯
難読介錯かいしゃく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「錯」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

[字音] サク・ソ
[字訓] みがく・まじわる・あやまる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は昔(せき)。昔に(さく)の声がある。(さく)のように肉を切りきざむ意があり、また(さく)のように砥石にかける意がある。〔説文〕十四上に「金(きんと)なり」とあって鍍金の意とするが、錯鏤(さくる)(地金の中に象嵌して、磨き出す方法)をいう。〔詩、小雅、鶴鳴〕「它山(たざん)の石 以て錯と爲すべし」とは錯(さくれい)、あらとにかけることをいう。他に交錯・錯落のように入りまじる意に用い、また措と通用する。

[訓義]
1. みがく、といしにかける、やすりにかける、錯鏤の法。
2. まじわる、いろどる。
3. みだれる、そむく、たがう、あやまる、わかれる。
4. 措と通じ、おく、おさめる、ほどこす、おこなう、やすんずる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕錯 己須利(こすり)、、也須利(やすり)、、乃保利(のほぎり) 〔名義抄〕錯 ミダル・ミダリガハシ・アヤマル・アヤマチ・ヤスシ・タガフ・オク・スル・ハシ・マジフ・マジハル・キカフ・ヤスリ・コスリ/錯子 コスリ/錯 ―トマジハレリ

[語系]
錯・・措tsakは同声。錯・には砥の意があり、また三字とも、措置の意に用いる。dzk、鑿tzakとも声義近く、錯は鑿して磨くこと、すなわち錯鏤の法を本義とする字であろう。のちには象嵌(ぞうがん)という。

[熟語]
錯愛・錯違・錯過・錯覚錯愕・錯錯簡・錯亀・錯疑・錯逆・錯挙・錯居・錯見錯互・錯・錯誤・錯行錯衡・錯合錯崔錯錯・錯雑・錯子・錯失・錯写錯糅・錯緒・錯薪・錯節・錯絶錯舛・錯綜・錯置錯陳・錯刀錯認・錯麦・錯錯蟠錯臂錯繆・錯・錯磨・錯落・錯乱・錯慮・錯戻・錯列・錯鏤・錯意・錯質・錯事・錯辞・錯身錯択・錯直
[下接語]
枉錯・介錯・改錯・乖錯錯・綺錯・疑錯・糾錯・挙錯・金錯・銀錯・互錯・攻錯・差錯・彩錯・雑錯・参錯・錯・失錯・糅錯・正錯・星錯・舛錯・鐫錯・粗錯・大錯・雕錯・刀錯・倒錯・盤錯・紕錯・靡錯・錯・紛錯・文錯・磨錯

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報