特定の土地や建造物を守護するために祀(まつ)られた神。中国の寺院の伽藍神(がらんじん)に起源をもつといわれる。寺院の鎮守として神霊を勧請(かんじょう)し、仏教守護の神としたのである。高野山(こうやさん)の丹生(にう)明神、興福寺の春日(かすが)明神、比叡山(ひえいざん)の山王権現(さんのうごんげん)などは、寺院の守護神としてよく知られている。
鎮守の神は本来、在来の土着の神霊などを屈伏・服属させるために、霊威の強力な神格を祀るものであった。十二社あるいは二十一社というように、複数の社(やしろ)を鎮守の神として祀る場合も少なくない。『本朝世紀』の天慶(てんぎょう)2年(939)の条によれば、山形県の大物忌(おおものいみ)神社は当時すでに出羽(でわ)国の「鎮守正二位勲三等大物忌神社」と称されていた。なお、荘園(しょうえん)には平安時代から領主が鎮守の神を盛んに勧請しており、荘園解体後も在地領主によって城郭内に祀られるようになった。徳川家康が江戸城内に山王権現を祀り、のちに赤坂山王(いまの日枝(ひえ)神社)を建立したのもその例である。こうして鎮守の神祭祀(さいし)の方式が広まると、村落にも影響を与える。ことに近世には地方豪族の勧請神がムラの氏神として引き継がれたり、開拓事業などに伴って新たに産土(うぶすな)神としての神社が盛んにつくられた。そして、それらがともに鎮守と称されることになった。寺請(てらうけ)制度によって寺院が神社を管理することが多くなり、寺院の鎮守とみなされたこともその要因の一つであろう。現在では氏神、産土神、地主神などと同義語として用いられている。
[佐々木勝]
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