岩木山神社(読み)イワキヤマジンジャ

デジタル大辞泉 「岩木山神社」の意味・読み・例文・類語

いわきやま‐じんじゃ〔いはきやま‐〕【岩木山神社】

青森県弘前市、岩木山いわきさんの南麓にある神社。祭神は宇都志国玉命うつしくにたまのみこと多都比毘売命たつひひめのみことなど。岩木三所権現。津軽一の宮

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精選版 日本国語大辞典 「岩木山神社」の意味・読み・例文・類語

いわきやま‐じんじゃいはきやま‥【岩木山神社】

  1. 青森県中津軽郡岩木町にある神社。旧国幣小社。祭神は顕国魂神(うつしくにたまのかみ)ほか四柱。宝亀一一年(七八〇)の創建。延暦一九年(八〇〇坂上田村麻呂が再建したという。津軽一の宮。奥の日光。お岩木さん。いわきさんじんじゃ。

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日本歴史地名大系 「岩木山神社」の解説

岩木山神社
いわきさんじんじや

[現在地名]岩木町百沢 寺沢

岩木山の東南麓、百沢ひやくざわ集落の北に位置し、岩木山山頂に奥宮本宮がある。祭神は顕国玉神・多都比姫神・大山祇神・坂上刈田麻呂命・宇賀能売神。祭日旧暦八月一日。

津軽一統志」に

<資料は省略されています>

とある。

岩木山を神体として信仰することは古くから行われてきたが、その創立については種々の伝承がある。永保年間(一〇八一―八四)丹後由良ゆら(現京都府宮津市)山椒太夫の奴隷であった安寿が岩木山に登って神になった。あるいは大己貴命(大国主命、大元尊、顕国玉神)が降臨したところ田光たつぴ沼の童女が珠を献上したので、国安珠姫と名付け、夫婦となった。のち大津波で阿曾部(岩木山)の森だけが残ったので、宝亀三年(七七二)または同一一年頂上に盤椅宮を建て、中央に国常立命、北峰に大元命、南峰に国安珠姫を祀った。あるいは近江国篠原しのはら(現滋賀県野洲郡野洲町)の領主花輪某が錫杖印と卍字旗で魍魎精魂を降参させ、岩木山の右峰赤倉あかくら(巌鬼山)に住まわせた。あるいは鬼沢おにざわ(現弘前市)の開墾を助けた大人を赤倉の鬼神大権現として祀った。あるいは小栗山こぐりやま(現弘前市)の三姉妹の神の末娘が岩木山の神となった。あるいは延暦一五年(七九六)坂上田村麻呂が岩木山北麓に下居おりい宮、頂上に奥宮本宮を建て、鎮守府将軍であった父の刈田麻呂を合祀した。

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改訂新版 世界大百科事典 「岩木山神社」の意味・わかりやすい解説

岩木山神社 (いわきやまじんじゃ)

青森県弘前市に鎮座。旧国幣小社。顕国玉(うつしくにたま)神,多都比売(たつひめ)神,宇賀能売(うかのめ)神,大山祇(おおやまづみ)神,坂上苅田麻呂(さかのうえのかりたまろ)命をまつり,桓武朝に坂上田村麻呂が創建したと伝えるが,本来は岩木山(いわきさん)自体を神とする信仰に発し,顕国玉神は国魂(くにたま)神で主祭神である。室町時代には北畠氏が,戦国時代には大浦氏が社殿を造営したといい,津軽(大浦)氏が代々崇敬し社殿を修造した。現社殿は1847年(弘化4)の築造で〈奥の日光〉の称がある。例祭は旧8月1日。〈岩木山詣〉〈お山参詣〉といって,白装束に御幣を持って神社に参拝し,山頂の奥宮に笛・太鼓を鳴らし唱えことばを発して登る。近世,岩木判官伝説すなわち安寿・厨子王の説話が結びつき盛行した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩木山神社」の意味・わかりやすい解説

岩木山神社
いわきやまじんじゃ

青森県弘前(ひろさき)市百沢(ひゃくざわ)寺沢に鎮座。顕国玉神(うつしくにたまのかみ)、多都比姫神(たつひひめのかみ)、宇賀能売神(うかのめのかみ)の3神を主祭神とし、大山祇神(おおやまつみのかみ)、坂上苅田麿命(さかのうえのかりたまろのみこと)を配祀(はいし)する。創建年代は不詳。社伝では、800年(延暦19)坂上田村麻呂(たむらまろ)の創建と伝える。中世以降武門の崇敬厚く、津軽一宮、津軽総鎮守と称された。とくに初代弘前(ひろさき)藩主津軽為信(ためのぶ)から4代信政(のぶまさ)に至る歴代藩主によって造営された華麗な社殿は「奥の日光」ともよばれ、国の重要文化財に指定されている。古くは岩木三所大権現(だいごんげん)と称し、別当百沢寺(ひゃくたくじ)の支配下にあったが、明治の神仏分離により百沢寺および諸堂は廃絶した。旧国幣小社。例祭は旧暦8月1日。例祭日を中心に行われる山頂奥宮への「お山参詣(さんけい)」は、津軽地方の年中行事として有名である。

[高橋美由紀]

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百科事典マイペディア 「岩木山神社」の意味・わかりやすい解説

岩木山神社【いわきやまじんじゃ】

青森県弘前市に鎮座。旧国幣小社。宇都志国玉(うつしくにたま)命・多都比毘売(たつひびめ)命・宇賀能売(うかのめ)命などをまつる。桓武天皇の時,坂上田村麻呂の創建と伝える。社殿壮麗で奥日光の称がある。例祭8月1日。ほかに奥宮神賑祭。
→関連項目岩木山鎮火祭春祭

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩木山神社」の意味・わかりやすい解説

岩木山神社
いわきさんじんじゃ

青森県弘前市西部,岩木山山麓に鎮座する元国幣小社。いわきやま神社,津軽一の宮,御国魂鎮守,岩木山三所大権現ともいう。祭神はウツシクニタマノミコト,タツヒビメノミコト,ウカノメノミコト,オオヤマツミノカミ,坂上刈田麿命。例祭旧暦8月1日。津軽の開拓神と伝える。

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デジタル大辞泉プラス 「岩木山神社」の解説

岩木山神社

青森県弘前市にある神社。社伝では800年創建とする。主祭神は顕国玉神(うつしくにたまのかみ)、多都比姫神(たつひひめのかみ)、宇賀能売神(うかのめのかみ)。本殿などは国の重要文化財。旧暦8月1日を中心に行われる「お山参詣」は、「岩木山の登拝行事」として国の重要無形民俗文化財に指定。

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事典・日本の観光資源 「岩木山神社」の解説

岩木山神社

(青森県弘前市)
あおもり魅力百選」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の岩木山神社の言及

【鎮火祭】より

…同社の鎮火祭は,祭場を庭上に設け,鎮火の儀は,庭上の火の上るのを待って,川菜を投じ,水をそそぎ,土をもって火を埋める。このほか,祭儀の方法は異なるが,青森県の岩木山(いわきやま)神社,大阪市の生国魂(いくくにたま)神社,島根県の物部(もののべ)神社,東京都台東区の秋葉神社などでも行われる。【沼部 春友】。…

※「岩木山神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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