長村(読み)ながとろむら

日本歴史地名大系 「長村」の解説


ながとろむら

[現在地名]東根市長瀞

白水しろみず川下流右岸に位置し、西方を最上川が北流する。天保九年(一八三八)の村明細帳(県立博物館蔵)では、宮崎みやざき村へ一〇町、六田ろくた村へ一三町、松沢まつざわ村へ一三町、蟹沢かにさわ村へ二〇町とある。「正法眼蔵」(輪王寺本)の巻七五に「能登国鳳至郡櫛比荘諸岳山総持禅寺伝法庵客寮於北窓軒下、謹誌之、校了、料紙之半檀那最上長瀞、祖春沙弥 今又日本天文十五年丙午十月吉日、長印書及之、羽州最上之住僧主是道」とある。天文一五年(一五四六)能登総持寺で書写された「正法眼蔵」の料紙檀那は最上長瀞の祖春沙弥なる人物で、羽州最上之住僧主是道も長瀞に関係するものであろう。最上川の氾濫原で地味は肥沃、周囲は水田で開発は早い。



ながとろむら

[現在地名]亘理町長瀞

南は吉田よしだ村、北は小堤こづつみ村・高屋こうや村、西は阿武隈丘陵で伊具いぐ坂津田さかつた(現角田市)、東に一部とりうみが開ける。字曾根そねから東側は端郷長瀞浜ながとろはまである。康永二年(一三四三)八月三日の石塔義房宛行状写(相馬文書)によると武石新左衛門尉は勲功賞として「陸奥国曰理郡坂本郷半分并長戸呂村」を「同郡鵲谷郷」に替えて知行することとなったが、長戸呂村は長瀞と考えられる。正保郷帳では田五六貫七六文・畑八貫九文で旱損の村の注がある。「安永風土記」では田一〇三貫三〇二文・畑六貫八六八文(うち茶畑三文)で蔵入地は一貫五五文(うち新田二〇四文)、残りは亘理伊達氏の知行地で、そのうち新田は五一貫一二一文。


長村
ながむら

[現在地名]城南町なが

西流する緑川の南岸にあり、加藤清正による河川改修で設けられた遊水地帯に沿って、よこ塘とよばれる堤が築かれ、その傍らに集落がある。東に蓍町めどまち、西に丹生宮にゆうのみや、南に宮地みやじの各村があり、水田平野が開ける。緑川の氾濫で度々被害を受けたと考えられる。「郡村誌」に居合いあい豊内どいのうち天神免てんじんめんなどの中世的字名がみえる。慶長国絵図に村名がみえる。当初赤見組(赤見仁左衛門手永)に属したが、のち杉島手永に組織され、正保三年(一六四六)宇土支藩の成立によりその知行所となった。文化九年(一八一二)の宇土知行所村々略反別帳では南永みなみなが村と北長村とに分けて記載され、南永村が高六六九石三斗余(田四二町九畝余・畑七町一反三畝余)、男一一二・女八三、北長村が高七三二石六斗余(田四六町一反五畝余・畑七町六反四畝余)、男一二六・女一一二。


長村
おさむら

[現在地名]湖東町長

池庄いけしよう村の北西に位置する。中世には大国おおくに庄の一部であった。康暦元年(一三七九)豊満とよみつ神社旧蔵東漸とうぜん(現愛知川町)の鐘銘に「大工長村道欽 同村拝類等」とある。慶長五年(一六〇〇)彦根藩領となり、慶長高辻帳では高二四一石余。寛永石高帳には「壬村」とみえる。元禄八年大洞弁天寄進帳によれば、男九五・女九五、寺社方男二・女二。



ながとろむら

[現在地名]南陽市長瀞

法師柳ほうしやなぎ村の北、吉野よしの川扇状地中央の織機おりはた川左岸に位置する小村。天文七年(一五三八)の段銭古帳では屋代やしろ庄のうちに「四〆百七十五文 ほうてう なかとろ」とある。同二二年の晴宗公采地下賜録では、松木内記が「北条なかとろの内、ほうしやなき在け」を、庄司乳母と中野常陸介が「長とろ五間」を下賜されている。天正一三年(一五八五)の北条段銭帳に「北条之内、なかとろ、いけくろ本段銭、合て十貫六百八十五文三分一二、三貫五百六十仁文罷出候。此内御ひかしさま御ふん百七十九文引候て、いて代、三〆三百十八文請取申候、いけくろ、なかとろへ」とあり、池黒いけぐろ村とともに三貫文余を納めている。


長村
ちようむら

[現在地名]小矢部市長

道林寺どうりんじ村の南東、渋江しぶえ川左岸平地に立地。同川は当地で東流から北流に流れを変える。蓮沼はすぬま村から安居あんご(現福野町)へ至る参詣道が通る。元和五年(一六一九)の家高新帳に「町村」とみえ、役家数七、二郎島孫次組に属する。正保郷帳では高四〇〇石余、田方二六町・畑方六反余、新田高四一石余。寛文一〇年(一六七〇)の村御印では草高四七七石・免五ツ、小物成は山役一三〇目・野役五匁・鮎川役一匁(三箇国高物成帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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