長林寺(読み)ちようりんじ

日本歴史地名大系 「長林寺」の解説

長林寺
ちようりんじ

[現在地名]河合町大字穴闇小字瓦ヶ谷

穴闇なぐら集落の南端鎮守素盞嗚すさのお神社に隣接。別名は穴闇寺。穴闇山と号し、黄檗宗本尊は十一面観音。観音堂を残すだけだが、境内に飛鳥時代の塔心礎がある。神社境内にも土壇や礎石などを残し、往古伽藍は東に塔、西に金堂を置くいわゆる法起寺式伽藍配置をとっていたと考えられている。これらの南に小字大門だいもんと称する地もある。


長林寺
ちようりんじ

[現在地名]足利市西宮町

両崖りようがい山の南に連なる小脈中のかがみ山南西麓、足利城の南方に位置する。曹洞宗で大祥山と号し、本尊は聖観音。文安五年(一四四八)長尾景人の開基開山は大見禅龍、長雲寺と称したが創建地は未詳という。のち龍沢寺と改称し、長尾景長は傑伝を二世として現在地に移転、長林寺と改称した。足利城主長尾氏の菩提寺で、天正一八年(一五九〇)長尾氏が常陸国竹原たけはら(現茨城県東茨城郡美野里町)へ移ると寺地も同地へ移転、元和元年(一六一五)に現在地に戻ったという(「近代足利市史」など)。近世初めに徳川家光より朱印地一二石を与えられ、元禄一〇年(一六九七)大本山の越前永平寺より「常恒会地」なる高い寺格を与えられた(旧県史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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