長野垤志(読み)ナガノ テツシ

20世紀日本人名事典 「長野垤志」の解説

長野 垤志
ナガノ テツシ

昭和期の鋳金



生年
明治33(1900)年10月28日

没年
昭和52(1977)年7月14日

出生地
愛知県名古屋市

本名
長野 松蔵

経歴
画家を志して16歳で上京、郵便局の集配人市電変電所勤めなどしながら画を学んだが、関東大震災後、名古屋に戻って鋳金と古美術につき勉強。その後、名古屋の釜師、伊藤一正を知って茶の湯釜鋳造の研究に専念し、至難とされた和銑による釜の鋳造法を30年余かけて完成、また芦屋釜天明釜などの古釜の伝統を現代に生かした第一人者となった。昭和38年人間国宝。「あしやの釜」「天明の釜」など古釜関係の著書多数。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「長野垤志」の意味・わかりやすい解説

長野垤志
ながのてっし
(1900―1977)

鋳金家、釜師(かまし)。愛知県生まれ。本名松蔵。初め洋画家を志したが、鋳金に転じ、山本安曇(あずみ)、ついで香取秀真(かとりほつま)に師事した。1927年(昭和2)帝展に初入選し、33年同展出品の『青銅方盤』が特選となり、審査員などを務めたが、のち日展を離れ、日本伝統工芸展に出品。理事・審査員としても活躍した。作品は梵鐘(ぼんしょう)、花瓶置物などのほか、とくに釜の制作をもっとも得意とし、高い芸術性と格調のある現代茶の湯釜を生み出し、また砂鉄による和銑(わずく)釜の鋳造法を復原した。63年(昭和38)重要無形文化財保持者に認定。釜に関する学問的研究にも造詣(ぞうけい)が深く、『蘆屋(あしや)の釜』『天命(てんみょう)の釜』『茶の湯の見方』などの著書がある。

[原田一敏]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「長野垤志」の解説

長野垤志 ながの-てつし

1900-1977 昭和時代の釜(かま)師。
明治33年10月28日生まれ。山本安曇(あずみ),香取秀真(ほつま)に師事。のち名古屋の釜師伊藤一正を知り,茶の湯釜を研究し,古作釜の技法様式を現代にいかした。昭和38年人間国宝。昭和52年7月14日死去。76歳。愛知県出身。本名は松蔵。著作に「あしやの釜」「天命の釜」,作品に「矢筈(やはず)釜」「松林図肩衝(かたつき)釜」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「長野垤志」の解説

長野 垤志 (ながの てつし)

生年月日:1900年10月28日
昭和時代の鋳金家
1977年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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