日本大百科全書(ニッポニカ) 「門別」の意味・わかりやすい解説
門別
もんべつ
北海道中南部、日高(ひだか)支庁(現、日高振興局)管内にあった旧町名(門別町(ちょう))。旧門別町は1952年(昭和27)町制施行。2006年(平成18)、日高町と合併し、新しく成立した日高町の町域は、平取(びらとり)町をはさんで、北の日高地区(旧、日高町)と南の門別地区(旧、門別町)に分かれている。門別の名はアイヌ語「モ・ペッ」(静かな川の意)に由来する。旧町域は日高地方の西の入口にあたり、日高山脈に発する大河沙流(さる)川の下流部と、門別川などの河川の流域からなる。太平洋岸を国道235号が走り、237号を分岐する。江戸時代からアイヌとの交易で開け、いまもサケ、マスなどの漁獲や、コンブ増養殖のほか、沙流川のシシャモ漁が有名で、秋には門別ししゃも祭りも行われる。諸河川流域の低地は水田が中心で、段丘面では軽種馬(競走馬)の生産や、酪農などが行われる。
[柏村一郎]
『『門別町史』(1961・門別町)』