開目鈔(読み)カイモクショウ

デジタル大辞泉 「開目鈔」の意味・読み・例文・類語

かいもくしょう〔カイモクセウ〕【開目鈔】

鎌倉時代の仏教書。2巻。日蓮著。文永9年(1272)成立佐渡配所での述作受難理由を深く考察したところから出発し、法華ほっけ精神の解明をしたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「開目鈔」の意味・読み・例文・類語

かいもくしょう‥セウ【開目鈔】

  1. 日蓮宗の書。二巻。日蓮の佐渡流罪中、文永九年(一二七二)の作。日蓮の代表作、五大部の一つ和文体で書かれ、日蓮の受難に対する疑問に答えると共に、法華経行者としての日蓮の自覚責任を吐露したもの。真蹟は明治八年(一八七五焼失

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「開目鈔」の解説

開目鈔
かいもくしょう

日蓮の最重要著作の一つ。1272年(文永9)2月,流罪地の佐渡で成立。日蓮宗学においては,法開顕の書「観心本尊鈔」に対し,人開顕の書と位置づけられる。「法華経」の至上性と,迫害に耐えてその経を広める自身の正当性を明らかにしようとする。身延山久遠(くおん)寺に真筆本が残っていたが,明治期に火災で焼失した。「昭和定本日蓮聖人遺文」「日本古典文学大系」所収

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「開目鈔」の意味・わかりやすい解説

開目鈔
かいもくしょう

2巻。日蓮が竜口法難にあって佐渡に配流された文永9 (1272) 年に書いた書物。法華経行者が末法の世に出現するという経文はまさに日蓮自身のことであるという自覚を述べ,さらに日本の柱とも眼目とも大船ともなろうという三大誓願を発し,そして現在の迫害は未来の大楽を受ける勝縁であると述べている。

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旺文社日本史事典 三訂版 「開目鈔」の解説

開目鈔
かいもくしょう

鎌倉中期,日蓮の著した宗教書
1272年刊。2巻。日蓮が佐渡へ流された2年4か月の間に著した。「日蓮こそ末法の大導師である」と主張している。

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