閑所(読み)カンジョ

デジタル大辞泉 「閑所」の意味・読み・例文・類語

かん‐じょ【閑所/閑処】

《「かんしょ」とも》
静かな場所。人のいない所。
せい(=ヒトミ)を―に転ずる気紛きまぐれの働ではない」〈漱石虞美人草
便所かわや。
「信玄公、御用心の御ためやらん、御―を京間六帖敷きになされ」〈甲陽軍鑑・三三〉
[類語](2便所化粧室洗面所手洗いトイレトイレットルームウオータークロゼットラバトリーレストルームWCかわや雪隠せっちん後架こうかはばか手水ちょうずお手水手水場不浄不浄場ご不浄分別所ふんべつどころ浄房便室用場西浄せいちん東司とうす

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精選版 日本国語大辞典 「閑所」の意味・読み・例文・類語

かん‐じょ【閑所・閑処】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「かんしょ」とも ) 人のいない所。静かな場所。
    1. [初出の実例]「武衛於閑所対面給」(出典吾妻鏡‐治承四年(1180)六月一九日)
    2. 「昼は閑処(カンショ)に居し、自ら念仏し」(出典:私聚百因縁集(1257)五)
    3. [その他の文献]〔荘子‐刻意〕
  3. 便所。手洗い。かわや。雪隠(せっちん)。かんじょば。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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世界大百科事典(旧版)内の閑所の言及

【便所】より

…幕末から明治初年にかけて来日した欧米人の残した記録には,日本の都市の清潔に感嘆しているものが少なくない。【野口 武徳】
【日本】
 便所には厠(かわや),閑所(かんじよ),雪隠(せつちん),後架(こうか),背屋,〈かど〉,〈ふろや〉,御不浄,〈はばかり〉など異称が多い。このうち,〈かわや〉は《日本書紀》にもみられる古い語で本居宣長の《玉勝間》ではその語義を水上で用便する原始的な水洗便所である河屋と解したが,これは東南アジア等で広くみられる形式であり,日本でもかつて山村の一部でみられたほかに《万葉集》でもうたわれている。…

※「閑所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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