後架(読み)コウカ

デジタル大辞泉 「後架」の意味・読み・例文・類語

こう‐か【後架】

禅寺で、僧堂の後ろに架け渡して設けた洗面所。ごか。
1のかたわらにあったところから》便所。ごか。
[類語](2便所化粧室洗面所手洗いトイレトイレットルームウオータークロゼットラバトリーレストルームWCかわや雪隠せっちんはばか手水ちょうずお手水手水場不浄不浄場ご不浄分別所ふんべつどころ浄房便室閑所用場西浄せいちん東司とうす

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精選版 日本国語大辞典 「後架」の意味・読み・例文・類語

こう‐か【後架】

  1. 〘 名詞 〙 禅寺で、僧堂の後にかけわたした洗面所。また、そばに便所があるところから、転じて、便所。古くは小便所をさした。ごか。
    1. [初出の実例]「雲堂の洗面処は後架なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)洗面)
    2. 「一まづ後架(コウカ)小便をしに行った」(出典年末一日(1925)〈芥川龍之介〉)
    3. [その他の文献]〔敕修百丈清規‐六・日用規範〕

ご‐か【後架】

  1. 〘 名詞 〙こうか(後架)

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普及版 字通 「後架」の読み・字形・画数・意味

【後架】こうか

便所。

字通「後」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の後架の言及

【禅宗寺院建築】より

…法堂の背後には方丈あるいは客殿など,住持の住房や高位の客の接待所があり,自然地形を利用して庭園も設けられた。中心伽藍の東西には食堂(じきどう)や大炊殿(おおいどの)にあたる庫院,衆僧が座禅をする禅堂がおかれ,これらに付属して浴室や便所である東司,西浄,後架(こうか)などがあった。三門の脇には経蔵,鐘楼,鼓楼がおかれ,経蔵には内部に回転式の輪蔵(りんぞう)をもつものもあった。…

【便所】より

…幕末から明治初年にかけて来日した欧米人の残した記録には,日本の都市の清潔に感嘆しているものが少なくない。【野口 武徳】
【日本】
 便所には厠(かわや),閑所(かんじよ),雪隠(せつちん),後架(こうか),背屋,〈かど〉,〈ふろや〉,御不浄,〈はばかり〉など異称が多い。このうち,〈かわや〉は《日本書紀》にもみられる古い語で本居宣長の《玉勝間》ではその語義を水上で用便する原始的な水洗便所である河屋と解したが,これは東南アジア等で広くみられる形式であり,日本でもかつて山村の一部でみられたほかに《万葉集》でもうたわれている。…

※「後架」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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