手水(読み)てみず

精選版 日本国語大辞典 「手水」の意味・読み・例文・類語

て‐みず ‥みづ【手水】

〘名〙
① 手を洗う水。手洗い水。ちょうず。
御堂関白記‐長和元年(1012)一〇月二七日「公卿立幄前、次主水司供手水、次中臣官人供御麻物」
② 特に、用便後に手を洗う水。転じて、厠(かわや)に行くこと。ちょうず。
※宝の山(1891)〈川上眉山発端「手水(テミヅ)にや立ちけんと、稍暫く待ちたれども」
③ 手からしたたる水。
(イ) 餠をつく時、捏取(こねどり)が手に水をつけて餠にしめりを与えること。また、その水。
(ロ) 料理などの際、手に水をつけ、指をはじいてその水を食品にふりかけること。また、その水。
食道楽‐秋(1903)〈村井弦斎付録パンが焼く前によく膨れて居なかったら一旦蒸籠で蒸してそれから手水(テミヅ)を振ってお焼きなさい」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「手水」の意味・読み・例文・類語

ちょうず〔てうづ〕【水】

《「てみづ」の音変化》
手や顔などを水で洗うこと。社寺に参拝する前などに、手や口を水で清めること。また、その水。「手水を使う」
《用便のあと手を洗うところから》便所へ行くこと。また、小便
「―をさせて子供を寝かす」〈鴎外
便所。手洗い。「手水に行く」
[類語](2小用こよう小用しょうよう排泄排尿放尿遺尿利尿頻尿用便尿意用足し寝小便立ち小便連れ小便おねしょ失禁ちびる用を足す/(3便所化粧室洗面所手洗いトイレトイレットルームウオータークロゼットラバトリーレストルームWCかわや雪隠せっちん後架こうかはばかお手水手水場不浄不浄場ご不浄分別所ふんべつどころ浄房便室閑所用場西浄せいちん東司とうす

て‐みず〔‐みづ〕【手水】

手を洗う水。てあらいみず。ちょうず。
洗ったあとなどに手についている水。
もちつきのとき、ね取りが手に水をつけて餅を湿らすこと。また、その水。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の手水の言及

【手水鉢】より

…手を洗い口をすすいで清める水,すなわち手水をためておく鉢。多くは石造で,自然石をそのまま用いたもの,貝,舟,富士,一文字,棗(なつめ)などの形に加工したもの,また四方仏や五輪塔の水輪(下から2段目の石),橋杭などを利用したものがあり,銅製,陶磁器のものもある。…

※「手水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android