鎌倉時代の絵巻。1巻。国宝。東京・大倉文化財団蔵。平安末期の仁平(にんぺい)~永暦(えいりゃく)(1151~61)ごろの随身3人(秦兼清(はたのかねきよ)、兼任(かねとう)、中臣末近(なかとみのすえちか))と、宝治(ほうじ)元年(1247)当時の6人(秦久則(ひさのり)、兼利(かねとし)、兼躬(かねみ)、頼方(よりかた)、久頼(ひさより)、弘方(ひろかた))の像を描き収める。騎馬または徒歩の姿で描かれ、前三者は烏帽子(えぼし)、水干(すいかん)姿、後六者は冠、褐衣(かちえ)、狩袴(かりばかま)姿につくられる。絵はいずれも細い墨の線を主体にし、一部に朱を施す程度の白描画(はくびょうが)の形式になる。人物の顔は精緻(せいち)な筆線を引き重ねて各人の特徴を描き分けている。後の6像の前に「宝治元年十月院御随身」の墨書があるように、6人はこの年の随身を記録したもので、絵巻の制作も同じころと考えられる。初めの3像は既存の画によったものとされ、これらは当時の似絵(にせえ)(肖像画)の名手、藤原信実(のぶざね)の筆に擬する説が強い。平安末、鎌倉時代の風俗資料として貴重であり、また似絵の優れた作例として価値が高い。
[村重 寧]
『小松茂美編『続日本絵巻大成18 随身庭騎絵巻他』(1983・中央公論社)』
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