電子カルテ(読み)でんしかるて

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

電子カルテ

カルテを電子化して、管理すること。すでにいくつかの病院で採用されている。しかし、医療施設間でデータの処理、保存の方法が標準化されていないため、カルテを他の医療施設にパソコンで送付し患者を紹介するといった情報の共有はまだ現実化されていない。厚生労働省は、電子カルテの標準化のために委員会を設置している。その中では、次の3つが標準として求められている。(1)書き換え、消去、混同が行なわれない「カルテの真正性」(2)肉眼で見読可能であり、書面化できる「カルテの見読性」(3)法令に定める保存期間内、保存し続けられる「カルテの保存性」である。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

電子カルテ

患者名、生年月日、性別、病名、処方、注射、処置内容などの文字情報に加え、検査の画像情報も含まれる。ネットワーク化で医療機関が患者の電子カルテを共有できれば、重複検査や薬の重複処方も防ぐことができる。当時の厚生省が医療情報の電子カルテ化を認めたのは1999年。しかし普及率はまだ高くなく、内閣府・IT戦略本部は2008年度末までに400床以上の病院の大半に普及させることを目指したが、未達成だ。100床当たり1億円と言われる初期投資などが壁になっている。

(2012-05-15 朝日新聞 朝刊 宮城全県 2地方)

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デジタル大辞泉の解説

でんし‐カルテ【電子カルテ】

electronic medical record》電子化されたカルテ。医師の診療記録カードを電子的に記録・保存・管理するシステムの総称。他の医療機関と診療情報を共有するための標準化が進められている。電カル

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百科事典マイペディアの解説

電子カルテ【でんしカルテ】

診療・看護・介助など,診療上に起こったすべての出来事の記録を電子化したもの。ここ数年,おもに大学病院や大規模病院を中心に進められてきた病院業務の電子化の柱。これによって,待ち時間の短縮や処方ミスの軽減などの効果が期待される。 従来の診療記録や看護記録は紙にボールペンで書かれているため,情報を共有する際,わざわざ書き直さなければならない。電子カルテでは,記録情報の標準化ができ,複数の医師がデータを共同利用できるようになる。また,医療情報の整理・データベース化や情報の検索が容易になり,将来の地域医療情報システム遠隔医療にもつながる。 また,交通事故などの緊急手術の場合など,血液検査のデータなどを病院間で通信でやりとりすることも可能になり,世界中のどこの病院にかかろうとも,過去の病歴を参照して適切な治療を受けることができる。蓄積されたデータを医学の進歩に役立てることも可能である。 患者にとってはわかりやすい説明,インフォームド・コンセントの資料として,医療関係者たちにとっては医学的な記録簿として,事務担当者にとってはスムースな医事システムの手段として,電子カルテに寄せられる期待は高い。 ただし,情報データのセキュリティ(保護)の問題,広範囲の人が利用することを考えての医学用語標準化の問題など,解決しなければならない課題も多い。→カルテ開示カルテ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

電子カルテ
でんしカルテ

患者の病状や薬の処方を,ICカードとしてコンピュータに移し,保管・検索を容易にしながら,系統的な健康管理を実現しようというもの。一部の病院や処方箋薬局ではすでに行われているが,システムにお金がかかること,専門のオペレーターが必要な場合もあること,X線写真スケッチなどは電子化しにくいことなどの理由で導入は遅れている。また,患者のプライバシー保護の点でも問題が残る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電子カルテ
でんしかるて

医師、歯科医師による診療録(カルテ)や看護記録、その他の医療従事者による診療記録をデータベースとして一括して電子的に保存・管理し、各職種間で診療情報を共有して業務の効率化を図り、医療の質と安全性、患者サービスの向上につなげようとする医療情報管理・運営システムの総称。診療録・診療諸記録は医師法、歯科医師法によって5年の保存義務が規定されているが、1999年(平成11)に厚生省(現、厚生労働省)から「診療録等の電子媒体による保存について」という通知が出され、運用管理規程にそった電子保存が可能となって以来、急速に開発と導入が進められるようになった。こうした医療の情報化・データベース化によって、医療チーム内のそれぞれの職種および患者に最適な情報を選択的に効率よく検索できるようになり、効率的で質の高い診療が可能となる。また複数の医療機関の間でネットワーク経由でデータの共用が可能となり、相互の医療連携も促進されることになる。さらに、2006年(平成18)に内閣官房から示された「ITによる医療の構造改革」にうたわれるように、電子カルテシステムは「個人の健康情報を『生涯を通じて』把握できる基盤をつくり、国民が自らの健康情報を活用し健康増進に努めることや、保険者による高度な保健指導」も実現可能にする。これにそって「生涯カルテ」などの導入も検討されている。データベース化には,情報共有のために病名・検査・治療・処置など診療情報の標準コード化が不可欠で、加えて電子機器の精度の向上、ネット上の診療情報に関する守秘管理なども必要となる。標準コード化が実現すれば、診療の評価(クリニカルインディケーター、臨床評価指標)やクリティカルパス(ケアマップ、ケアの流れの標準化)の検討などが同じ条件のなかで容易となり、診療の質の向上が大いに期待される。[編集部]

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