電波障害(読み)デンパショウガイ

デジタル大辞泉 「電波障害」の意味・読み・例文・類語

でんぱ‐しょうがい〔‐シヤウガイ〕【電波障害】

自然現象人工雑音妨害電波などによって正常な無線通信が妨害されること。また、通信電波によって電子機器に誤動作などが起きること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「電波障害」の意味・読み・例文・類語

でんぱ‐しょうがい‥シャウガイ【電波障害】

  1. 〘 名詞 〙 自然現象や人工雑音・妨害電波などによって正常な無線通信が妨害されること。また、通信電波によって電子機器に誤作動などが起きること。
    1. [初出の実例]「入道氏の脳波が電波障害に攪乱されたぐあいになって」(出典:新西洋事情(1975)〈深田祐介〉泣いてパリに馬謖を斬る)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「電波障害」の意味・わかりやすい解説

電波障害 (でんぱしょうがい)

電波はラジオ,テレビジョン,無線通信,無線航行援助やレーダー,地球物理・宇宙科学研究などさまざまな分野で利用されているが,これらが妨害電波その他の電波が原因で,当初の期待された機能が発揮できないことを電波障害という。われわれの身近で発生する電波障害の代表的なものはラジオやテレビジョン電波への障害で,これらを受信障害という。受信障害は,とくに都市部に多く見られる。これらの原因は,いわゆる都市雑音主体で,自動車の点火栓電気ジューサー,電気バリカンなどの電気応用機器の発生する雑音や送電線コロナ雑音のほか,高周波ミシンなどの高周波応用機器,アマチュア無線などの不要放射などがあげられる。テレビジョンでは,周波数が高いため,上記の原因による妨害の程度はラジオよりやや少なくなる。しかし波長が短いことにより,電波は光の性質をおびて直進するようになるため,ビルなどの高層建築物の裏側に電波が届かない現象が生じたり,ビルによる反射波と直接波が重なってテレビ画面上に二重像(ゴースト)が発生するようになる。これらのビル陰障害やゴースト妨害も電波障害に含められる。近年都心部では高層建築物が急増し,これらの電波障害も日照権と同様に社会問題となっている。この解決策としては有線ケーブルを各家庭まで引く方法や補助的にマイクロ波を用いる方法などがある。このほか近隣諸国からのラジオ電波の混信も電波障害の一つで,大きな問題となっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android