青花紙(読み)アオバナガミ

デジタル大辞泉 「青花紙」の意味・読み・例文・類語

あおばな‐がみ〔あをばな‐〕【青花紙】

ツユクサの花の青い絞り汁をしみこませた和紙。すぐ脱色できることから、友禅更紗さらさ絞り染めなどの下絵描きに用いる。藍紙あいがみ。藍花紙。縹紙はなだがみ

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精選版 日本国語大辞典 「青花紙」の意味・読み・例文・類語

あおばな‐がみあをばな‥【青花紙】

  1. 〘 名詞 〙 ツユクサの花の絞り汁をしみこませた紙。近江国滋賀県)から産出。水に浸して色をしみ出させた汁はさめやすいので、友禅、描更紗(かきザラサ)、絞り染めなどの下絵かきに用いた。青花藍紙
    1. [初出の実例]「土用前、其花びらを摘み、〈略〉其汁を紙に浸して、此青花紙を作るなり」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉四)

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改訂新版 世界大百科事典 「青花紙」の意味・わかりやすい解説

青花紙 (あおばながみ)

藍紙(あいがみ)ともいう。ツユクサの花の絞り汁を典具帖(てんぐじよう)(良質のコウゾ繊維を原料として薄くすいた和紙)にしみ込ませたもの。この紙から浸出した青色液で布地に描いた模様は,水で容易に除去されて跡を残さないため,古くから友禅染の下絵を描くのに使用されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「青花紙」の意味・わかりやすい解説

青花紙
あおばながみ

ツユクサ科オオボウシバナ花弁を砕いて、青色の汁を薄い和紙にしみ込ませ風干ししたもの。藍(あい)紙、紺紙ともよぶ。青色の色素アントシアンで、この紙を水に浸すと簡単に色素が溶出する。友禅染の模様の下絵を描くのに使用され、下絵は水洗いにより洗い流すことができる。滋賀県草津市の特産でおもに美濃(みの)紙が用いられる。

[町田誠之]

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百科事典マイペディア 「青花紙」の意味・わかりやすい解説

青花紙【あおばながみ】

藍(あい)紙,縹(はなだ)紙とも。ツユクサの花の絞り汁を典具帖(てんぐじょう)にしみ込ませたもの。この紙から浸出した青色の液で書いた模様は,水で洗い流せ布地に跡を残さないので,古くから友禅染の下絵をかくのに使用。主産地は滋賀県。

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デジタル大辞泉プラス 「青花紙」の解説

青花紙

滋賀県草津市で生産される和紙。青花(あおばな)はツユクサの別称で、この花の絞り汁を用いた染紙。青花の色は水に浸すと溶けて消えることから、古くから京都や加賀などの友禅の下絵用に用いられてきたが、現在では化学染料におされ生産は少ない。

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