精選版 日本国語大辞典 「韋編三絶」の意味・読み・例文・類語 いへん‐さんぜつヰヘン‥【韋編三絶】 〘 名詞 〙 =いへん(韋編)三度(みたび)絶(た)つ〔空華日用工夫略集‐永徳元年(1381)一二月二七日〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「韋編三絶」の解説 韋編三絶 何度も読んだために、書物がぼろぼろになること。 [使用例] 私は「韋編三絶」するほど愛読したいという本を、見つけているか。それは見つけ得ていると思う。「論語」、杜甫の詩、「資治通鑑」、その三つである[吉川幸次郎*短長亭集|1964] [使用例] うちの長男のためにわたしが選んでやつた絵本のうち、子供も、そしてわたしたちも、特に気に入つてゐた傑作であつた。これはたしか、韋編三絶といふくらゐ読んでやつたため、新しくもう一冊、買ひ直したはずだ[丸谷才一*日本語のために|1974] [使用例] 座右に置いて、韋編三たび絶つほどに打ち込んだというものはないが、まくらもとに置いて、寝しなに読むたぐいのものはいくつかある[谷村裕*ずいひつ大蔵省の隠語|1974] [解説] とても気に入って、何度となく読んだ本というのが、誰にもあるはずです。難しく表現すれば、「韋編三絶するほど読んだ」ということになります。 昔、まだ紙がなかった頃、中国では文字を細長い竹や木の札に書きました。文章が長くなると、いくつもの札を、すだれのように、革製のひもでとじました。このひもを「韋編」と言います。 孔子は晩年、「易えき経きょう」を好んで読みました。もちろん、札をとじた書物です。何度も読むうち、とじひもが三回も切れたと「史記」にあります。 ここから「韋編三絶」ということばが生まれました。例文のように「韋編三たび絶つ」と言うこともあります。 このことばは、その本を非常に愛読している、という気持ちを表すところに重点があります。「勉強熱心」の意味ではありません。「韋編三絶の努力で論文ができた」という例文を載せる参考書がありますが、違和感が残ります。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「韋編三絶」の意味・わかりやすい解説 韋編三絶いへんさんぜつ 繰り返し繰り返し読んで、読書に熱中することのたとえ。孔子(こうし)が、晩年、易書(えきしょ)を好んで熟読し、繰り返し繰り返しそれを読み返したので、その綴紐(とじひも)が三度も切れてしまったとある『史記』「孔子世家」の故事による。「韋」はなめし革のこと、「韋編」とはなめし革の紐で綴じた竹の札(竹簡(ちっかん)といい、古代中国の書物)をいうが、転じて、広く書物一般をいう。「韋編三度絶(みたびた)つ」とも読み下していう。[田所義行] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例