デジタル大辞泉
「領置」の意味・読み・例文・類語
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りょう‐ちリャウ‥【領置】
- 〘 名詞 〙 うけとっておくこと。領収しておくこと。特に刑事訴訟法上、裁判所や捜査機関が、被告人・被疑者その他の者が遺留した物、または所有者・保管者が任意に提出した物を、そのまま取り上げて保管する処分。
- [初出の実例]「在監者の携有する物は点検して之を領置す」(出典:監獄法(明治四一年)(1908)五一条)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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領置
りょうち
捜査機関が、被疑者等が遺留した物、または所有者・所持者・保管者が任意に提出した物の占有を取得する処分をいう(刑事訴訟法221条)。また、裁判所が、被告人等が遺留した物、所有者・所持者・保管者が任意に提出した物について行う同様の処分(同法101条)も領置である。遺留物または任意に提出された物が対象となるので、令状を必要としない。しかし、占有取得後の効果は差押えと変わらない。したがって、任意に提出された物についてその返還を求められても、還付手続による場合以外、返す必要はない。
[内田一郎・田口守一]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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領置 (りょうち)
刑事事件において,裁判所あるいは捜査機関が,被疑者・被告人やその他の者が遺留した物または所有者,所持者,保管者が任意に提出した物の占有を取得する処分(刑事訴訟法101,221条)。領置は押収の一種であって,物の占有を取得し確保するという効果の面では差押えと同じであり,強制処分に分類される。ただ,占有取得の過程には強制的要素がないため,捜査機関が行う場合にも令状(令状主義)は必要とされない。
→提出命令
執筆者:米山 耕二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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領置【りょうち】
刑事訴訟法上,押収の一種で,任意に提出された物の占有を取得する強制処分。裁判所は被告人その他の者が遺留した物,または所有者・所持者・保管者が任意に提出した物を領置することができ(刑事訴訟法101条),捜査機関も被疑者についてできる(同法221条)。令状を必要としない。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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領置
りょうち
刑事訴訟法上,被疑者,被告人そのほかの者が遺留した物,または任意に提出された物の占有を令状に基づかずに取得する処分。裁判所の行う場合と捜査機関の行う場合とがある (101,221条) 。いったん領置が行われると権利者の側から返還請求があっても,これを拒否できるから,領置も強制処分の一種といえる。刑事訴訟法以外の法律では,収税官吏 (国税犯則取締法1,7) ,刑務官吏 (監獄法 51) などの行政機関の領置が認められている。 (→仮領置 )
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の領置の言及
【押収】より
…裁判所あるいは捜査機関によってなされる。強制的に占有を取得する場合を[差押え],遺留物や任意に提出された物に対する場合を[領置]と呼ぶ。[提出命令]という方法もある。…
※「領置」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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