食らわす(読み)クラワス

デジタル大辞泉 「食らわす」の意味・読み・例文・類語

くらわ・す〔くらはす〕【食らわす】

[動サ五(四)]
飲み食いさせる。くわす。「酒でも―・しとけ」
強打衝撃などを受けさせる。こうむらせる。「パンチを―・す」「捨て台詞ぜりふを―・して立ち去る」
[動サ下二]くらわせる」の文語形
[類語]打つ叩く殴るぶつ小突くひっぱたく叩きのめす打ち据えるぶん殴る殴り飛ばす殴りつける張るはたく噛ますぶち噛ますぶっ叩く張り飛ばす張り倒すぶちのめすぶっ潰す殴打する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「食らわす」の意味・読み・例文・類語

くらわ・すくらはす【食・喰】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
    1. 飲み食いをさせる。くわす。くらわせる。
    2. なぐる。たたく。打ちつける。
      1. [初出の実例]「侍の生面、なぜくらはした」(出典:浄瑠璃・大塔宮曦鎧(1723)つはもの万歳)
      2. 「腰の骨をしたたかくらはした」(出典:歌舞伎・浮世柄比翼稲妻(鞘当)(1823)序幕)
    3. 利益をもって、人を誘う。利益を与えて、いいように相手を動かす。
      1. [初出の実例]「莫大な賄賂を其筋筋に啗(クラ)はして」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵電影)
    4. だます。いっぱいくわせる。
      1. [初出の実例]「雲行にくらはされたとおもはるる」(出典:雑俳・湯だらひ(1706))
    5. ( 「する」を強めた俗ないい方で、種々の動作、行為にいう ) やらかす。やっつける。くらわせる。
      1. [初出の実例]「鳶の精進と云事がある物かといへば、いやなるほど精進でござる、今日は廿四日あたごどのさまの日じゃとくらはした」(出典:咄本・新撰咄揃(1682)上)
      2. 「野芹川の土手でも御目に懸りましたねと喰らはしてやったら」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉八)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙くらわせる(食)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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