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食品照射 しょくひんしょうしゃ food irradiation

翻訳|food irradiation

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

食品照射
しょくひんしょうしゃ
food irradiation

食品を長期保存するためにγ線またはX線を照射すること。保存料,殺菌剤等の有害化学物質を全く用いずに処理できる特長がある。たとえば,γ線の大量照射による殺菌,ジャガイモなど生鮮野菜の発芽防止がある。

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デジタル大辞泉の解説

しょくひん‐しょうしゃ〔‐セウシヤ〕【食品照射】

殺菌・殺虫・発芽止めのために食品に放射線浴びせること。日本ではジャガイモの芽止めに使用。

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栄養・生化学辞典の解説

食品照射

 食品放射線照射ともいう.殺菌,殺虫,もしくは例えば発芽を阻止するといった目的で,食品に放射線を照射すること.ジャガイモの発芽防止などの目的で行われている.

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世界大百科事典 第2版の解説

しょくひんしょうしゃ【食品照射 food irradiation】

食品に放射線をあて,発芽を抑制したり,腐敗微生物の殺菌,食中毒細菌の殺菌,害虫の殺虫などを行って,貯蔵期間の延長をはかる技術。このような放射線処理をされた食品は照射食品呼ばれる。α線,β線,γ線などの放射線は,生物に対し種々の効果を表す。その効果を積極的に利用する技術として開発されたものの一つである。
[沿革]
 放射線が生物に対し影響をもち,微生物を殺菌できることは古くから知られていたが,食品の殺菌に利用しようと考えたのは第2次世界大戦後である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

食品照射
しょくひんしょうしゃ

食品に放射線を照射して、殺菌、防黴(ぼうばい)、発芽停止などを行うこと。コバルト60からのγ(ガンマ)線などが使用される。2003年の時点で、53か国で計230品目以上の照射食品が許可され、そのうち32か国で計40品目について食品照射が実用化されている。照射を認める国は増えているが、安全上の理由から照射線量、目的、対象などに規制がある。[河野友美・山口米子]

歴史

食品への照射は、原子力の研究・開発とともに進み、とくにアメリカでは、早くも1940年代にマサチューセッツ工科大学で研究が始められた。その後、陸軍において積極的に研究が進められ、1980年には農務省に研究が移管された。
 照射食品の栄養学的な適合性や安全性についての検討は、国連食糧農業機関(FAO)、国際原子力機関(IAEA)、世界保健機関(WHO)の合同会合で1961年に始められた。当初は、照射による生成物を食品添加物とみなして安全性を管理する考え方があったが、1976年には、照射は加熱や冷凍と同様の物理的な処理であり、食品添加物とみなすのは妥当でないと見直しがされた。また、照射線量については、1980年に「10キログレイまでなら毒性学的には問題ない」とされたが、1997年になって「10キログレイを超えても安全」と規制緩和され、さらに、2003年には「10キログレイ以上の照射食品では、目的にあった線量が照射されているなら、適切な栄養を有し、安全に摂取できる」と変更された。コーデックス委員会(FAO・WHO合同食品規格委員会)は、1980年の合同会合の結論を受けて、1983年に照射食品の国際規格と照射施設についての国際基準を定めた。さらに2003年会合での議論に対応して、正当な必要性があれば、10キログレイを超えた高線量の照射ができるよう、規格改定がされている。
 日本では1972年(昭和47)にジャガイモの発芽防止を目的とした食品照射が認可され、1974年から士幌(しほろ)町農協(北海道)の照射設備で実施されている。照射により食品中に変異原性物質や発癌(はつがん)促進物質などが生ずるおそれがあるといった安全性の問題や、消費者のコンセンサスが得られないなどの理由で、ほかの食品については許可されておらず、ジャガイモについても表示の義務がある。[河野友美・山口米子]

種類

殺菌を目的とした照射の例に香辛料がある。アメリカをはじめフランス、オランダ、ベルギー、カナダ、南アフリカ、中国、韓国、インドネシアなど、食品照射を認可している国の多くが香辛料への照射を実用化している。日本でも、香辛料の業界団体から申請が出されているが、2011年(平成23)7月の時点では認可されていない。香辛料以外でも、アメリカで病人食、宇宙食、生鮮果実、鶏肉、牛肉、豚肉、フランスで冷凍鶏肉、ベルギーやオランダで冷凍魚介などの殺菌処理が実用化されている。
 殺虫処理の目的では、アメリカで輸入青果物について認可されている。また、オーストラリア、ニュージーランドなどでは、検疫のための処理法として認可されている。
 発芽防止の目的では、日本でのジャガイモの照射のほか、中国、韓国、南アフリカなどではニンニクの処理が実用化されている。
 その他の照射目的や対象食品として、ハムなど畜産製品の亜硝酸使用量を減らすための利用、野菜類の保存性の向上、飼料の殺菌やカビ止めなどがある。[河野友美・山口米子]
『世界保健機関・国連食糧農業機関編、林徹訳『食品照射――食品の安全性の保持及び向上のための技術』(1989・光琳) ▽世界保健機関編著『照射食品の安全性と栄養適性』(1996・コープ出版)』

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