駅制(読み)エキセイ

デジタル大辞泉 「駅制」の意味・読み・例文・類語

えき‐せい【駅制】

古代律令制中央政府地方との連絡通信のために設けられた交通制度諸道の30里(約16キロ)ごとに一駅が置かれ、官吏使者に馬・食糧を提供した。

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精選版 日本国語大辞典 「駅制」の意味・読み・例文・類語

えき‐せい【駅制】

  1. 〘 名詞 〙 交通制度の一形態。令制以降の宿駅に関する制度。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「駅制」の解説

駅制
えきせい

律令国家により設定された公的交通制度。京を中心に諸国を結んで東海・東山北陸山陰山陽南海・西海各道の駅路を設定し,一定距離ごとに駅をおいた。駅には駅馬などが設置され,駅戸から徴発された駅子(えきし)が労役を負担した。駅の財源は,はじめ駅起稲(えききとう)・駅起田が設けられたが,のち正税があてられた。駅戸のなかから駅長が任命され,国司の管下に駅を管理・運営した。駅鈴を付与された駅使が駅馬に乗り,食料の供給をうけて通行した。改新の詔に駅馬の設置がみえるが実態は不明。伊場遺跡出土木簡に「駅評人」がみえ,7世紀後半から駅制の整備が進んだらしい。8世紀後半から交通量の増大などで駅戸の負担過重となり,伝馬制とあわせて再編が進んだ。平安時代後半には崩壊していった。

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旺文社日本史事典 三訂版 「駅制」の解説

駅制
えきせい

律令制下の交通制度
諸道30里(約16㎞)ごとに駅家を置き,駅馬を配備して官人の公用に供した。駅には駅戸 (えきこ) が配置され,駅戸から徴発された駅子 (えきし) が駅馬の飼養と駅田の耕作にあたった。律令制の衰退につれて衰微した。鎌倉時代以後になると宿が発生,江戸時代には街道を中心に宿場町が発達した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「駅制」の意味・わかりやすい解説

駅制
えきせい

駅伝制度

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世界大百科事典(旧版)内の駅制の言及

【駅伝制】より

…近代になると,持続力のある動力機関や瞬時に連絡しうる通信機関が発明された結果,駅伝の必要がなくなって消滅した。
[日本]
 日本古代の駅伝制は車を欠き馬と人のみによるが,朝廷が関与した駅制と,国郡に管理させた伝馬制とに分けられる。まず駅制の萌芽は,6世紀末から7世紀前半にかけて大和朝廷の全国支配が進み,大陸に隋・唐の大帝国が出現して朝鮮半島を圧迫しはじめたころ,北九州の出先官庁と大和朝廷との間の連絡を緊密にする必要が生じ,朝廷の発行した駅鈴(えきれい)を携帯した官人に途中の国造が便宜をはかるという形で発生したと思われる。…

※「駅制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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