花鳥風月(読み)カチョウフウゲツ

デジタル大辞泉 「花鳥風月」の意味・読み・例文・類語

かちょう‐ふうげつ〔クワテウ‐〕【花鳥風月】

自然の美しい風物。「花鳥風月を友とする」
風雅な趣を楽しむこと。風流韻事。風流。
[類語]雪月花

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精選版 日本国語大辞典 「花鳥風月」の意味・読み・例文・類語

かちょう‐ふうげつクヮテウ‥【花鳥風月】

  1. 〘 名詞 〙 自然の美しい風物。また、それを鑑賞したり、材料にして詩歌などを創作したりする風雅の遊び。
    1. [初出の実例]「源平などの名のある人の事を花鳥風月に作り寄せて」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)二)

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改訂新版 世界大百科事典 「花鳥風月」の意味・わかりやすい解説

花鳥風月 (かちょうふうげつ)

御伽(おとぎ)草子。《扇合(おうぎあわせ)物語》《花風物語》ともいう。萩原院(花園天皇)の御代,都西山の葉室中納言の御所で扇合が行われたおり,公卿1人と口覆いをした女房とをかいた希代不思議の絵をめぐって,これを在原業平とする側と光源氏とする側との二手に分かれて相論に及び,巫(みこ)の花鳥風月に占わせることとなる。両人はもと出羽(でわ)羽黒の者で,人を梓(あずさ)の弓にかけて口寄せすること神変(じんべん)奇特の姉妹で,業平側の人々の問いに応じて花鳥は短冊一つ取り出し,早速業平と占う。花鳥は梓の弓を打ち鳴らし一首を詠じ,風月は問い手となり,業平の一代記が語られるので,人々は身の毛もよだつほど驚く。源氏側の人々が,占いが合う合わぬはともかくと促すや,花鳥は神鏡と仰ぐ三尺の鏡の前でその徳を語り,精を出して光源氏の姿となり,名のりをしてわが一代の罪障を泣きつくどいつ懺悔して語る。風月も末摘花(すえつむはな)となって鏡にあらわれ,物ねたみして狂い,光源氏と問答を交わし,扇の絵をいつぞやの雪の後朝(きぬぎぬ)をかいたものと語り終え姿を消す。中納言は,扇の絵の不審からまのあたりに昔語りを承ったから後世菩提を弔おうと言って,さらに《源氏物語》の秘事を問うと,巻名を順に織り込みつつ語るので,狂言綺語の戯れに接した一同は奇特に思い多くのほうびを与えた。《伊勢物語》《源氏物語》の啓蒙書としての色が濃く,物語としては一貫性に欠けるが,扇合の場をかりて梓巫(あずさみこ)に昔語りをさせる趣向がいかにも室町風である。素材として源氏注や伊勢注が想定され,また当時の梓巫の生態が活写されているのも興味深い。源氏供養の風潮とも関係あるか。室町期末ごろの奈良絵本をはじめ伝本の数も多く,版本《衣更着きさらぎ)物語》は上巻に室町以来の〈扇の絵巻〉の形式を踏襲した〈扇合〉を,下巻に〈花鳥風月〉を当て,挿絵にかなりの重点を置いている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「花鳥風月」の意味・わかりやすい解説

花鳥風月
かちょうふうげつ

自然の美しい風物。「花鳥」は観賞対象となり、詩歌、絵画などの題材とされる自然の景物代表としての「花」と「鳥」を意味し、「風月」は自然の風景の代表としての「風」と「月」を意味し、狭義には「清風」と「明月」をさす。転じて、そうした自然の風物を観賞したり、それらを題材として詩歌、絵画などの創作にあたるなど風雅の遊び、風流韻事をいう。

[宇田敏彦]

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四字熟語を知る辞典 「花鳥風月」の解説

花鳥風月

自然の美しい風物。また、それを鑑賞したり、材料にして詩歌などを創作したりする風雅の遊び。

[使用例] 青山白雲を見、花鳥風月を見て楽まず、家常茶飯の美にふれて喜ばない者があるか[長与善郎*竹沢先生と云ふ人|1924~25]

[使用例] だれかに日本画を習っとるようだが、この皇国の危機に花鳥風月とはのん気な話だ[阿部知二*日月の窓|1957~58]

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デジタル大辞泉プラス 「花鳥風月」の解説

花鳥風月

日本のポピュラー音楽。歌は日本のバンド、レミオロメン。2010年発売。作詞・作曲:藤巻亮太。テレビ朝日系で放送のドラマ「エンゼルバンク 転職代理人」の主題歌。

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