六訂版 家庭医学大全科 「骨盤位、横位」の解説
骨盤位(逆子)、横位
こつばんい(さかご)、おうい
Breech presentation (Breech positon), Transverse presentation
(女性の病気と妊娠・出産)
どんな病気か
産道からみて胎児の頭部より骨盤部が先進している状態を骨盤位(逆子)、胎児の頭部あるいは骨盤部のいずれもが先進していない状態を横位といいます。骨盤位は妊娠中期では高頻度にみられますが、妊娠の進行に伴い減少し、妊娠末期には単胎妊娠の3~4%となります。
胎児の
横位は経産婦や、子宮下方に胎児の先進を妨げるものがある場合、たとえば子宮筋腫、前置胎盤などでみられます。妊娠末期まで持続するのは0.3%程度です。
とくに臀部が娩出されても
検査と診断
触診および超音波断層法により診断は容易です。
治療の方法
経腟分娩にはリスクが伴うため、それを避けようとする試みは広く行われています。
妊娠中には頭位へ
妊娠末期になっても骨盤位である場合には、児頭や骨盤の計測を行い、経腟分娩の可能性について検討します。
骨盤位分娩では娩出直前になって急激に胎児の状態が悪くなり、かつその時点からでは帝王切開をすることも困難な事態が発生することもあり、経腟分娩を試みずに帝王切開が選択されることも少なくありません。
上妻 志郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報