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骨軟骨腫 こつなんこつしゅOsteochondroma

家庭医学館の解説

こつなんこつしゅ【骨軟骨腫 Osteochondroma】

[どんな病気か]
 骨に発生する良性、悪性の腫瘍(しゅよう)を通じて、もっとも発生数の多い良性の骨腫瘍(こつしゅよう)です。
 1つだけ生じる単発性骨軟骨腫(たんぱつせいこつなんこつしゅ)と、2つ以上の骨に発生する多発性骨軟骨腫(たはつせいこつなんこつしゅ)とがあります。
 多発性骨軟骨腫には、家族性、遺伝性に発生する例もあります。
 骨の一部が膨(ふく)らんで盛り上がり、骨のようなかたい腫瘤(しゅりゅう)を形成します。大きくなると、外からもはっきり触れるようになります。
 この病気は、若い年齢層によくみられ、10歳代の子どもにもっとも多く発生します。
 骨軟骨腫の発生しやすい部位は、おもに腕や下肢(かし)(脚(あし))の長管骨(ちょうかんこつ)(大きく長い管状になっている骨)の端のほうの、関節に近いところが多くなっています。
 単発性骨軟骨腫の発生しやすい部位は、脛骨(けいこつ)(膝(ひざ)の下から足首までの大きく太いほうの骨)の上端の内側です。
 そのほか、大腿骨(だいたいこつ)(ももの太い骨)や上腕骨(じょうわんこつ)などの長管骨、骨盤(こつばん)や肩甲骨(けんこうこつ)などの扁平骨(へんぺいこつ)(平らな骨)にも発生します。
[症状]
 腫瘤の形成がおもな症状です。皮膚の上から、かたい骨と同じくらいのかたさをもった腫瘤を触れます。
 ほとんど痛みをともなうことはありませんが、腫瘤が大きくなり、周囲の軟部組織や骨を圧迫して、痛みがおこることもあります。
 また、腫瘤が大きくなると、関節の動きが制限され、動作がうまくできなくなることもあります。
 ごくまれに、骨折をおこして、激痛を生じることもあります。
 腫瘤の発育はゆっくりで、骨の成長がとまる時期になると、腫瘍の発育もとまります。
 いろいろなところに発生する多発性の場合には、骨が変形してしまうこともあります。
 以前からあった腫瘤が、40歳代、50歳代になって急速に大きくなったり、痛みをともなうようになった場合は、悪性変化(おもに軟骨肉腫(なんこつにくしゅ)(「軟骨肉腫」)への変化)が考えられますので、ただちに整形外科などの専門医を受診する必要があります。
[検査と診断]
 骨軟骨腫の診断は比較的容易で、1枚のX線写真から診断が確定できます。
 悪性変化が疑われる場合には、いろいろな検査や、腫瘤の組織の一部をとって顕微鏡で調べる病理組織学的検査が必要となります。
[治療]
 腫瘤があっても、痛みをともなわない場合は、治療の必要はありません。
 腫瘤が大きくて、美容上の問題がある場合、または関節の運動が制限されるような場合には、手術の対象になります。
 腫瘍の部分を切除すれば治ります。ごくまれに、切除した部分が小さすぎると、再発することがあります。しかし、ほとんどの場合、1回の手術で治ります。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

骨軟骨腫
こつなんこつしゅ
osteochondroma

原発性の良性骨腫瘍(しゅよう)で、臨床的には軟骨性外骨腫ともいわれる。長管状骨の骨幹端部に発生し、幼少年期に発見されることが多い。棘(とげ)状、枝状、キノコ状など種々の形をして骨皮質から突出している。単発性のものと多発性のものがあり、多発性の場合は家族的あるいは遺伝的発生の傾向がみられる。良性であるので障害がなければそのままでよいが、神経を圧迫したり腱(けん)や筋の動きが妨げられているなどの場合は腫瘍を切除する。たとえば、脛骨(けいこつ)の上端内側のもののために膝(しつ)関節の運動が妨げられたり、雑音がするようなことがあるが、このような場合は切除する。また、この腫瘍から二次的に軟骨肉腫が生ずることがある。[永井 隆]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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