食の医学館 「髪・爪のいたみ」の解説
かみつめのいたみ【髪・爪のいたみ】
《どんな病気か?》
〈血液循環を促進し、髪や爪をつくる力をアップ!〉
つやのあるきれいな髪、溝や割れ目のない滑らかな爪(つめ)は、美しい肌同様、女性の憧れであり、また、身だしなみや魅力の1つでもあります。
しかし、年齢とともに髪が細くなったり、薄くなったり、また張りやつやがなくなったり、爪に溝ができたりしてしまいます。
また、若いからといって、過度なダイエットをすることや、貧血(ひんけつ)、血行障害(けっこうしょうがい)などによって、せっかくのきれいな髪や爪を失ってしまうこともあります。
もともと髪も爪も、皮膚の一部が変化してできたもので、その主成分はたんぱく質です。そのたいせつなたんぱく質の摂取がダイエットなどで少なくなったり、貧血や血行障害によって血液循環が悪くなり、栄養分が行き届かなかったりすると、きれいな髪や爪をつくる力が弱まり、トラブルのもとになるのです。
《関連する食品》
〈動物性たんぱく質は、きれいな髪と爪の必須栄養素〉
○栄養成分としての働きから
きれいな髪にも、滑らかな爪にも、もっとも必要な栄養素はたんぱく質です。とくに髪と爪は、たんぱく質、硫黄分(いおうぶん)を含む含硫(がんりゅう)アミノ酸を主成分にしたケラチンというたんぱく質でできていて、これらを含む動物性たんぱく質がもっとも効果的です。牛肉や豚肉などの肉類のほか、鶏卵や魚介類から摂取することができます。
また、新陳代謝(しんちんたいしゃ)を活発にさせる必要もあります。そのためには、亜鉛(あえん)や鉄が有効です。亜鉛は貝類のカキに多く含まれていますし、木の実などからも摂取できます。鉄はレバーやシジミから摂取しましょう。亜鉛や鉄はミネラルの一種ですが、ミネラルは全般的に髪や爪の発育に効果があります。
同様に、ビタミン類も細胞の働きを活発にして新陳代謝を促進し、血液循環をよくするため、有効です。
○髪をより美しくするために
昔から、海藻を食べると髪のつやがよくなるといわれていました。髪との関係はないという説もありますが、海藻類のミネラルにはヨード(ヨウ素)が含まれ、この成分が髪の発育をうながします。コンブやワカメ、ノリやヒジキ、モズクなどに豊富に含まれます。
○白髪を予防するために
白髪は毛髪を黒くする細胞(色素細胞)が老化して起こるものです。最近ではストレスや紫外線の影響などで若い人にもふえています。
まずはそれらの要因を取り除き、血行をよくするために、頭皮のマッサージをしましょう。
たんぱく質の不足は、髪の健康をそこなうだけでなく、色素細胞の機能も低下させてしまうため、ますます白髪がふえてきます。
たんぱく質を十分に摂取すると同時に、カボチャの種や黒ゴマなど、白髪を予防するビタミンやミネラルを含む食品をつねに摂取する心がけが必要です。
○爪をより美しくするために
つやのある丈夫な爪にするには、骨格をつくるのにたいせつなカルシウムも必要です。小魚、牛乳、海藻、青菜などをとりましょう。
○漢方的な働きから
抜け毛が気になる人は、クワの根やコノテガシワを煎(せん)じて髪の毛にすりこみます。
クワの根はすりこんだあとに頭部を蒸しタオルで包み、密封して15分ほど蒸らし、そのあと洗髪します。コノテガシワは洗髪後にすりこみ、1時間ほどで洗い流します。