鬼石(読み)おにし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鬼石」の意味・わかりやすい解説

鬼石
おにし

群馬県南西部、多野郡(たのぐん)にあった旧町名(鬼石町(まち))。現在は藤岡市(ふじおかし)の南部を占める地域。旧鬼石町は1889年(明治22)町制施行。1954年(昭和29)三波川(さんばがわ)村、美原(みはら)村と合併。2006年(平成18)藤岡市に編入。神流(かんな)川の典型的な谷口集落で、繭、屋根板などを扱い、3、8の日を市日とした市場町として発達。国道462号が東部から南部へと通じる。主産業は農業で、米、麦、コンニャクイモのほか、野菜、シイタケなどを産する。庭石として愛用される三波石(せき)(緑泥片岩)が特産。国指定天然記念物の寒桜(かんざくら)のある県立桜山森林公園や三波石峡のほか、名刹(めいさつ)浄法(じょうほう)寺、譲原(ゆずりはら)石器時代住居跡(国指定史跡)、1967年完成の下久保(しもくぼ)ダム(神流湖)、八塩(やしお)温泉は有名。

[村木定雄]

『『鬼石町誌』(1984・鬼石町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鬼石」の意味・わかりやすい解説

鬼石
おにし

群馬県南部,藤岡市南部の旧町域。神流川北岸にある。 1889年町制。 1954年美原村,三波川村と合体。 2006年藤岡市に編入。中心集落の鬼石は神流川中流域に位置し,埼玉県秩父地方を後背地に薪炭,紙,繭などの市場町として発達。三波川などの神流川筋から採取される三波石は庭石として珍重されるため,庭石を扱う造園業者が多く,全国的な庭石の集散地となっている。満福寺所蔵の紙本著色泰西王侯図 (2幅) は国指定重要文化財。譲原石器時代住居跡 (国指定史跡) ,三波石峡 (国指定名勝・天然記念物) ,下久保ダム,八塩温泉などの観光・保養地がある。冬桜の三波川サクラは国の名勝・天然記念物で,毎年 12月に満開となる。

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改訂新版 世界大百科事典 「鬼石」の意味・わかりやすい解説

鬼石 (おにし)

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世界大百科事典(旧版)内の鬼石の言及

【鬼石[町]】より

…南は埼玉県と接し,神流(かんな)川と支流の三波川の流域を占める。中心集落の鬼石は,神流川上流の山地を後背地とする市場町として発達した谷口集落である。庭石として珍重される三波(さんば)石を産し,石材業,造園業が盛ん。…

※「鬼石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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