朝鮮半島と日本の対馬の間の国境をなす海峡。韓国側からは大韓海峡,日本側からは対馬海峡の西水道とよぶこともある。最狭部は50kmで,晴れた日には対馬から対岸の釜山,巨済島が肉眼で見える。最深部は210m。古くから朝鮮と日本を結ぶ重要な航路とされ,半島・大陸方面への使節の往来はもちろん,13世紀のモンゴルの日本侵略,16世紀の豊臣秀吉の朝鮮侵略のルートとなった。東シナ海から暖流の対馬海流が北上し,イカ,ブリ,タイなど魚種の豊富な漁場となっている。第2次大戦後から1952年までマッカーサー・ライン,またその後65年までは李承晩ラインが海峡半ばに設定され,日本漁船のライン内への出漁が阻まれた。現在は日韓双方に12海里の漁業専管水域に分割されている。
執筆者:谷浦 孝雄
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朝鮮半島と対馬(つしま)の間の海峡。韓国(大韓民国)では大韓海峡とよぶ。長さと幅はそれぞれ約200キロメートルであるが、もっとも狭いところで50キロメートルほどになる。最深部は210メートルで、古くから日本と朝鮮半島との間をつなぐ主要海路であった。対馬の北西部の海には海底盆があり、東シナ海と日本海との境界をなす。海底には大陸棚が広がり、階段状となっているが、朝鮮半島側がより傾斜が緩やかである。対馬暖流が北上し、朝鮮半島南部海岸に好漁場をつくり、タラ、タチウオ、カキ、イカ、ノリなどの海産物がとれる。現在、下関(しものせき)と釜山(ふざん)をつなぐ定期航路として関釜フェリー(かんぷふぇりー)が運航されている。
[森 聖雨]
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