(読み)マス

  • Die Forelle
  • ×鱒
  • ななこ
  • 曲名
  • 鱒 (マス)

デジタル大辞泉の解説

サケ科の魚で「マス」とつく名のものの称。特に、サクラマスカラフトマスをいう。また、釣りではニジマスをさすこともある。 春》「―生(あ)れて斑雪(はだれ)ぞ汀(みぎは)なせりける/波郷
[補説]作品名別項。→
原題、〈ドイツDie Forelleシューベルトの作品。
歌曲。1817年作曲。変ニ長調。作詞はC=F=D=シューバルトによる。漁師が魚を釣り上げる様子を描いたもの。
ピアノ五重奏曲。1819年作。第4楽章の主題に旋律を用いている。

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デジタル大辞泉プラスの解説

オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトの歌曲D550(1817)、原題《Die Forelle》。また、ピアノ五重奏曲D667(1819)は第4楽章が同歌曲を主題とすることから、作品全体の副題として『鱒』の名が用いられる。

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大辞林 第三版の解説

サケ目サケ科のカラフトマス・サクラマス・ビワマスなど「マス」の名のついた魚類の俗称。マスノスケやベニマス(ベニザケ)とその陸封型のヒメマス、カワマス・ニジマスをさすこともある。
サクラマスのこと。 [季] 春。
シューベルト作曲の歌曲。1817年作。軽快な旋律で知られ、のちこの旋律を用いて、五重奏曲「鱒」の第四楽章が書かれた。詩はシューバルト(C. F. D. Schubart1739~1791)による。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シューベルト作曲の歌曲。1817年作曲(D550)。ロマン派の叙情シューバルトの詩に基づく。清流をマスが泳いでゆくのを岸に立って眺めていると、釣り師が現れ、そのマスをねらう。水が清らかなうちは針にかかるまいと思われたが、釣り師はわざと川の水を濁し、マスは釣り上げられてしまうという内容。自然への賛美と自由へのあこがれを込めたこの作品は三節からなり、水の流れを模した軽やかなピアノ伴奏にのって歌われるが、最終節では魚が釣り上げられるようすの描写に劇的な表現もみられる。2年後に作曲したピアノ五重奏曲(D667)の第四楽章で、シューベルトはこの歌曲の旋律を変奏曲の主題として用いており、そのためこの五重奏曲も「鱒」の名で親しまれている。[三宅幸夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 魚「ます(鱒)」の異名。〔観智院本名義抄(1241)〕
[1] 〘名〙 サケ目サケ科の魚類のうち「マス」と名のつく種類のものの俗称。多くはサクラマスをいうが、ベニマスとその陸封型のヒメマス、マスノスケ、ビワマス、カワマスなどの略称としても用いられる。また、マス釣り、マス鮨などという場合にはニジマスをさすこともある。《季・春》
※出雲風土記(733)神門「則ち、年魚、鮭、麻須(マス)、伊具比有り」
[2] (原題Die Forelle)
[一] シューベルト作の歌曲。作品三二番。一八一七年作。清流に泳ぐ魚が釣師につり上げられるさまを生き生きと描く。
[二] シューベルト作のピアノ五重奏曲、イ長調、作品一一四番。一八一九年作。第四楽章の変奏の主題に(二)(一)の旋律を使っているのでこの名で呼ばれる。

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