(読み)が

精選版 日本国語大辞典 「蛾」の意味・読み・例文・類語

が【蛾】

〘名〙 チョウ(鱗翅)目の昆虫のうち、チョウ類を除いたものの総称。形、大きさなどチョウによく似ているが、ふつう体が太く、鱗片が密生し、はねは比較的狭く、一部のものを除き、はねを広げたまま止まり、夜間に活動するなどの点で区別される。色は一般に地味で、触角くし状、羽毛状、葉状などある。卵、幼虫、さなぎ、成虫と完全変態し、幼虫はイモムシかケムシ形。カイコによる生糸ヤママユガによる天蚕糸(てぐす)の生産など益虫もいるが、作物の葉を食害するものが多い。メイガシャクガドクガミノガなど日本では約五〇〇〇種が知られる。《季・夏》 〔八雲御抄(1242頃)〕
太平記(14C後)二「蛾(ガ)と云ふ虫のあまた明障子(あかりしゃうじ)に取り付きたるを」 〔黄庭堅‐渓上吟〕

ひいる ひひる【蛾】

〘名〙 昆虫の蛾(が)古称。後には多く、蚕の蛹(さなぎ)の羽化した、蚕蛾(かいこが)をいう。
書紀(720)持統六年九月(北野本南北朝期訓)「越前(こしのさき)の国(くに)の司(みこともち)白蛾(ヒヒル)献れり」

ひひる【蛾】

〘名〙 ⇒ひいる(蛾)

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デジタル大辞泉 「蛾」の意味・読み・例文・類語

が【×蛾】

鱗翅りんし目の昆虫のうち、チョウ類を除いたものの総称。主に、夜間活動し、胴が太く地味な色で、触角は糸状・羽毛状・くしの歯状などをし、静止するときにチョウのようにはねを立てないものをいう。幼虫は毛虫芋虫が多く、さなぎになるときにを作るものが多い。日本には約5000種が分布カイコガハマキガドクガスズメガヤガシャクガヒトリガなど。 夏》

が【蛾】[漢字項目]

[音]ガ(呉)(漢) [訓]ひむし
昆虫の名。ガの総称。「蛾眉がび穀蛾灯蛾毒蛾誘蛾灯

ひいる〔ひひる〕【×蛾】

の古称。特に、かいこの蛾をいう。
愚人ふける所は、―の火にるが如し」〈霊異記・下〉

ひ‐むし【×蛾】

蚕のさなぎ。また、その羽化したもの。ひひるむし。
夏虫の―の衣二重着てかくみ宿りはあに良くもあらず」〈仁徳紀・歌謡〉

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蛾」の解説

蛾 (ガ)

動物。チョウ目に属する昆虫で,チョウ以外のものの総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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