鷹爪(読み)たかのつめ

精選版 日本国語大辞典 「鷹爪」の意味・読み・例文・類語

たか‐の‐つめ【鷹爪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上等な茶の名。鷹。
    1. [初出の実例]「茶の異名〈略〉鷹爪」(出典:類集文字抄(15C中))
    2. 「特鷹爪五十袋令拝受候」(出典:東寺百合文書‐り・(年未詳)(室町)一二月二八日・赤沢宗益書状)
  3. ウコギ科の落葉小高木。各地の山地に生える。高さ三~六メートル。樹皮は灰色。葉は三出複葉で、長枝と短枝の枝先に集まってつく。小葉は長さ約五センチメートルの楕円形で、秋、黄色に変わる。初夏、葉腋に長い柄のある複散形花序を出し、ごく小さな黄緑色の五弁花を球状に密集してつける。果実は球形で、小さく黒く熟す。材は柔らかく、はし・げた・経木・マッチの軸などに用いる。いものき。〔日本植物名彙(1884)〕
  4. トウガラシの一変種。果実は円錐形または円筒形で、長さ二~五センチメートル、上向きにつき赤熟する。果肉は薄く、種子とともに極めて辛い。果実を粉末とうがらしにしたり、ピクルスに加える。
    1. [初出の実例]「ぽんと蹴られた鷹の爪、番椒(とうがらし)いらずにひりつくは」(出典:浄瑠璃・太平記菊水之巻(1759)三)
  5. 植物「つめくさ(爪草)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
  6. 植物「おのまんねんぐさ(雄万年草)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

よう‐そう‥サウ【鷹爪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (たか)のつめ。
    1. [初出の実例]「軍人の鉄腕に擁せられたる、繊細なる梅子の身は、鷹爪(ヤウサウ)に捉らはれたる雛雀とも言はんか」(出典:火の柱(1904)〈木下尚江〉二一)
    2. [その他の文献]〔六韜‐虎韜・軍用〕
  3. 上等の茶の異称
    1. [初出の実例]「茶之異名 碧粉〈略〉鷹爪、碧粉」(出典:類集文字抄(15C中))
    2. [その他の文献]〔負喧雑録〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「鷹爪」の読み・字形・画数・意味

【鷹爪】ようそう

鷹の鋭い爪。

字通「鷹」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「鷹爪」の解説

鷹爪 (タカノツメ)

学名Evodiopanax innovans
植物。ウコギ科の落葉小高木,薬用植物

鷹爪 (タカノツメ)

植物。ナス科一年草,園芸植物,薬用植物。トウガラシの別称

鷹爪 (タカノツメ)

植物。ナデシコ科の一年草,越年草,薬用植物。ツメクサの別称

鷹爪 (タカノツメ)

植物。スベリヒユ科の一年草,園芸植物。マツバボタンの別称

鷹爪 (タカノツメ)

植物。ベンケイソウ科の多年草。オノマンネングサの別称

鷹爪 (タカノツメ)

植物。スイカズラ科の落葉小高木。ムシカリの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android