改訂新版 世界大百科事典 「鸚鵡籠中記」の意味・わかりやすい解説
鸚鵡籠中記 (おうむろうちゅうき)
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尾張国名古屋藩士朝日定右衛門重章(しげあき)(1674~1718)の日記。37冊。1684年(貞享元)8月29日から1717年(享保2)12月末日を記録。書名は鸚鵡の口真似のようにそのまま書いたという意味。名古屋の町人や世間のようすなどについて詳細に記録しており,江戸・京都,他藩のことにも及ぶ。名古屋藩内部のさまざまな事柄,藩主・大奥の秘事などの裏面記録も多いのが特徴。「名古屋叢書」所収。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…5代将軍徳川綱吉が柳沢吉保の子吉里をわが子と信じて,6代将軍にしようとしたのを,正室鷹司氏信子が夫綱吉を殺害,未然に防いで自害したのが書名の由来である。実際には麻疹と疱瘡で没したにもかかわらず,相次いで急逝したため種々の風説が当時よりあり(《鸚鵡籠中記》),それらを核に,《日光かんたんの枕》《増補日光邯鄲枕》《日光霊夢記》《元宝荘子》《宝永太平記》などの実録体小説が出現した。《増補日光邯鄲枕》では,井伊掃部頭を善玉,柳沢吉保を悪玉としているが,その作者自序には井伊家に仕えていたとある。…
…魚貝類,野菜,海藻などを材料にして,合せ酢をかけたり,あえたりする料理。古代から行われていた膾(なます)から分化して,室町時代以降〈酢あえ〉〈あえまぜ〉〈酒浸(さかびて)〉などと呼ばれていた料理を包括した呼称で,料理書では《料理早指南》第4編(1804)などに見えるが,一般ではより古くから使われていた言葉のようで,尾張藩士朝日重章の《鸚鵡籠中記(おうむろうちゆうき)》元禄13年(1700)8月14日条に〈醋物〉と見えている。ちなみに,〈酢あえ〉は野菜その他の精進物,〈あえまぜ〉は干魚などを材料とした場合の呼称で,〈酒浸〉は鮮魚をおろしてただちに酒に浸して鮮度の低下を防ぎ,供する直前に酒から出して膾にしたものをいった。…
※「鸚鵡籠中記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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