黄丹(読み)おうに

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

黄丹(おうに)
おうに

染色の名。「おうだん」ともいう。赤みのある黄色で、天皇の黄櫨染(こうろぜん)とともに太陽の色を象徴するとし、皇太子の位を表す色。養老(ようろう)の衣服令「皇太子礼服」の項に黄丹衣とあり、平安時代以後も皇太子の用いる位袍(いほう)の色とし、禁色(きんじき)として他の者の使用を禁じた。『延喜式(えんぎしき)』によると、紅花(べにばな)と支子(くちなし)によって染められ、「黄丹綾(あや)一疋(ぴき)。紅花大十斤(きん)八両、支子一斗二升。酢一斗、麩(ふ)五升。藁(わら)四囲。薪一百八十斤。帛(はく)一疋。紅花大七斤。支子九升。酢七升。麩四升。藁三囲。薪一百廿斤。羅(ら)一疋用度同帛」とある。中世以降黄丹の袍の地質は、冬を綾、夏を(こく)とし、文様は(か)に鴛鴦(えんおう)を織り出したものである。皇太子が黄丹袍を着装した姿は、鎌倉時代の『駒競行幸絵巻(こまくらべぎょうこうえまき)』その他にみることができる。[高田倭男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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