中国,湖北省東部,長江(揚子江)の南岸にある都市。人口65万(2000)。武大鉄道(武昌~黄石)が通る。1950年,もと大冶(だいや)県に属していた黄石港・石灰窰の2鎮および付近の地区を合併して市を設置した。市内には丘陵,湖沼が多い。西方26kmのところに大冶鉄山があり,1891年(光緒17)に開発された。鉄山との間に鉄道・自動車網が縦横に交錯しており,ここからかつて日本の八幡製鉄所へ原料鉱として積み出された。解放後,大鉱床が発見され,武漢鉄鋼コンビナートの原料とされるとともに地元の大冶鋼鉄工場にも供給される。市は武漢に次ぐ省第2の新興工業都市で鉄鋼,セメント,皮革,紡織,食品などの工業が発達している。黄石港は市の北4km華家湖が長江に入る口にあり,水深は深く,大型船の停泊が可能で,商業が発達しており,鉄鉱石,綿花などを積み出す。市にはまた大冶銅山,華源炭鉱などがあり,鉱産資源に富む。
執筆者:林 和生
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中国中部、湖北(こほく)省東部の長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))南岸にある地級市。工業都市で長江の重要河港の一つでもある。4市轄区と陽新(ようしん)県を管轄し、大冶(だいや)市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口265万1000(2014)。1950年黄石港、石灰窰(せきかいよう)の両鎮と周辺地区を合併して市制施行。市域には低い山地や丘陵、湖沼が多い。大冶鉄山をはじめ、鉄、銅、石炭など地下資源が豊富で、宝武鋼鉄集団傘下の武漢(ぶかん)鋼鉄に鉄鉱石を供給するほか、製鉄、銅の製錬、セメントなどの工業も立地する。改革開放以降は、アパレル産業や酒類製造も発展している。武昌(ぶしょう)―九江(きゅうこう)を結ぶ武九線に沿うほか、2014年開通の武石城際鉄道(武漢―黄石)の終点でもある。
[河野通博・編集部 2017年8月21日]
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