食の医学館 「鼻づまり・鼻血」の解説
はなづまりはなぢ【鼻づまり・鼻血】
《どんな病気か?》
〈炎症で鼻粘膜が腫れていると鼻血や鼻づまりが起きやすい〉
炎症やアレルギーなどで鼻粘膜(びねんまく)が腫(は)れたり、生まれつき、左右の鼻の孔(あな)を仕切っている鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっている(鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう))と、鼻腔内(びくうない)が狭くなるために鼻づまりが起こりやすくなります。
とくに乳幼児はもともと鼻腔が狭く、鼻づまりを起こしやすいといえます。
鼻づまりがひどくなると、口で呼吸するようになり、ホコリや乾いた空気を吸い込んで、のどを痛めることがあります。
鼻血(はなぢ)も、子どもが日常しばしば起こす症状の1つです。
鼻中隔の前部は血管が多く、子どもは鼻に指を入れたり、鼻を強くかんだりすることが原因で出血することがあります。
また、のぼせただけでも出血することがあります。
さらに炎症やアレルギーで鼻粘膜が腫れていると、より鼻出血が起こりやすくなります。
子どもの鼻血の多くは、それほど心配のないものですが、たびたび出血する場合は、耳鼻咽喉科(じびいんこうか)を受診したほうがいいでしょう。
鼻血が出た場合の止血方法と注意点は以下のとおりです。
<すぐにすること>
鼻血がでたらうつむいて鼻翼の少し上をしっかりつまむようにして、止血するまで圧迫します。鼻孔に脱脂綿などを最低20分いれ、鼻を冷やしたタオルなどで冷やしてもよいでしょう。
<注意すること>
出血が30分以上続いたり、くり返すときは耳鼻咽喉科へ行きましょう。鼻血がのどに流れたら、吐き出させることが必要です。鼻血がでなくても痛みが強かったり、鼻が変型していたらかならず受診しましょう。
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〈鼻づまりに効果的なフラボノイド〉
○栄養成分としての働きから
鼻づまりに効くのはフラボノイドなどの成分です。
フラボノイドは、植物に広く含まれている色素成分で、毛細血管(もうさいけっかん)を丈夫にして、血行をよくする働きがあります。
また、かぜや花粉症などによって起こる鼻粘膜の炎症を抑える作用もあります。
フラボノイドが多く含まれているのは、タマネギやブロッコリー、ダイズ、お茶類などです。
〈鼻血にはビタミンK、タンニンなどが効く〉
鼻血を防ぐのに有効な成分は、ビタミンK、フラボノイド、タンニンなどです。
納豆やアシタバ、コマツナに多く含まれるビタミンKは、出血した際に血液を凝固させる作用があります。また、フラボノイドはミカンやネーブルオレンジなどにも含まれていて、毛細血管を強くして出血を予防します。
タンニンには血管や組織を収縮させる作用があり、レンコン、クリ、緑茶などに多く含まれています。
○漢方的な働きから
漢方でも、鼻血や歯ぐきから出血したときは、レンコンをすりおろした汁を飲むと即効性があるといわれています。
○注意すべきこと
なお、魚の脂(あぶら)に多く含まれているIPAをとりすぎると、血液がかたまりにくく、出血が止まらなくなるので注意してください。ただし、食事からとるかぎり、それほど問題はありません。
また、血栓(けっせん)予防薬のバイアスピリン、ワルファリンカリウムなどの薬を常用している場合は、いっそうの注意が必要です。