パーキンズ(Maxwell Evarts Perkins)(読み)ぱーきんず(英語表記)Frances Perkins

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

パーキンズ(Maxwell Evarts Perkins)
ぱーきんず
Maxwell Evarts Perkins
(1884―1947)

アメリカの編集者。ニューヨーク名門出身。『ニューヨーク・タイムズ』の編集に携わったのち、出版社スクリブナーズに移り、保守的で新人登用に消極的な同社で、新鋭作家R・ラードナー、F・S・フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、トマス・ウルフらの出版を企画し、名編集長とうたわれた。なかでもウルフの『天使よ故郷を見よ』(1929)の未完原稿を読み、その真価を認めて完成に手を貸したことで知られる。没後刊行された書簡集『編集者より著者へ』(1950)はアメリカ近代文学の貴重な資料

[島田太郎]

『A・スコット・バーグ著、鈴木主税訳『名編集者パーキンズ』上下(1987・草思社)』


パーキンズ(Frances Perkins)
ぱーきんず
Frances Perkins
(1882―1965)

アメリカの女性社会運動家、政治家。4月10日ボストン生まれ。コロンビア大学出身。ニューヨーク州消費者連盟、同州工場委員会や産業委員会、移民教育評議会などで活躍し、女性の最高労働時間法の制定や工場衛生施設の改善などのために尽力した。1933年F・D・ルーズベルト政権の労働長官にアメリカ最初の女性閣僚として就任(45年まで)し、ニューディールから第二次世界大戦期にかけて労働行政を担当した。45年、パリ国際労働事務局会議に出席した。

[新川健三郎]

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改訂新版 世界大百科事典 の解説

パーキンズ
Frances Perkins
生没年:1882-1965

アメリカの女性社会改革者,労働長官。ニューヨーク州の工場調査委員会調査官,産業委員会委員,同委員長などを歴任し,労働条件改善の諸立法を推進した。同州知事だったF.D.ローズベルトが大統領に就任すると,労働長官(1933-45)に任命され,アメリカ史上最初の女性閣僚となり,労働・社会保障関係の諸立法の制定,労働省の充実に尽力し,ニューディール政策の推進に貢献した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

パーキンズ
Perkins, Frances

[生]1880.4.10. ボストン
[没]1965.5.14. メーン,ニューカッスル
アメリカの女性社会運動家,行政官。ニューヨークで女性の労働条件や工場衛生施設の改善に努力し,1910~12年消費者連盟の書記長,29~33年ニューヨーク州産業委員会委員などを歴任。 33年 F.ルーズベルト政権下労働長官に就任,アメリカ史上初の女性の閣僚となった。

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