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ウルフ Wolfe, Charles

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウルフ
Wolfe, Charles

[生]1791.12.14. ダブリン
[没]1823.2.21. コーク
アイルランドの牧師,詩人。有名な詩篇『サー・ジョン・ムアの埋葬』 The Burial of Sir John Moore (1817) の作者。

ウルフ
Wolfe, Humbert

[生]1886.1.5. ミラノ
[没]1940.1.5. ロンドン
イギリスの詩人。官吏として労働省に勤務しながら詩作した。『ロンドン・ソネット集』 London Sonnets (1920) から『戦時のケンジントン・ガーデン』 Kensington Gardens in Wartime (40) にいたる多くの詩集のほか,自伝や論集『対話と独語』 Dialogues and Monologues (28) がある。

ウルフ
Wolfe, James

[生]1727.1.2.
[没]1759.9.13. ケベック
イギリスの軍人。「四十五年の反乱」の鎮圧戦に参加,スコットランド軍勤務 (1749~52) ,パリ駐在武官 (52~53) ,アイルランド駐留軍主計総監 (57~58) を歴任。七年戦争が始ると,1758年その一局面をなす北アメリカ大陸フレンチ・アンド・インディアン戦争に従軍,ルイスバーグ攻略戦で武勲をあげ,いったん帰国。翌年ケベック攻略軍司令官になり,重傷を負いながら指揮を続け,同市攻略成功の報に接したが戦死。

ウルフ
Wolfe, Thomas Clayton

[生]1900.10.3. ノースカロライナ,アッシュビル
[没]1938.9.15. メリーランド,ボルティモア
アメリカの作家。ノースカロライナ大学在学中演劇に興味をもち,引続きハーバード大学で演劇を専攻。のちニューヨーク大学で教鞭をとり,またヨーロッパを旅行したりして,1926年初めて小説に手を染めたが,これが最初の自伝的小説『天使よ故郷を見よ』 Look Homeward,Angel (1929) になった。まもなく教職を辞して,続編『時と川について』 Of Time and River (35) を発表,さらに自己の生涯を素材としながら意識的に「客観的」手法をとった膨大な原稿を書上げたが,生前には出版にいたらなかった。この遺稿は『くもの巣と岩』 The Web and the Rock (39) ,『汝再び故郷に帰れず』 You Can't Go Home Again (40) として出版され,前2作とともに,一つの壮大なアメリカの叙事詩,飢えにとりつかれたようにすべてを吸収しようと放浪を続ける精神の自伝的大河小説を構成する。ほかに,短編集『死から朝へ』 From Death to Morning (35) ,創作論『ある小説の物語』 The Story of a Novel (36) など。

ウルフ
Wolfe, Thomas(Tom) Kennerly, Jr.

[生]1931.3.2. バージニア,リッチモンド
アメリカの小説家ジャーナリスト。ワシントン・アンド・リー大学卒業後,エール大学で博士号取得。ニューヨーク・マガジン誌などに勤め,ジャーナリズムの一線で活躍する一方,ビート,ヒッピー,イッピー,幻覚剤などの流行を素材にし,俗語,隠語,新語を駆使したサイケデリックな文体を特徴とする『クール・クール LSD交感テスト』 The Electric Kool-Aid Acid Test (1968) などの小説を書いた。また筆者の主観を重んじ,さまざまな形式を用いて現実を伝えようとするニュージャーナリズムの旗手として,アンソロジー『ニュージャーナリズム』 The New Journalism (73) を共編している。ほかに宇宙飛行士の記録『ザ・ライト・スタッフ』 The Right Stuff (79) など。

ウルフ
Woolf, Leonard (Sidney)

[生]1880.11.25. ロンドン
[没]1969.8.14. サセックス,ロドメル
イギリスの評論家。ケンブリッジ大学に学び,雑誌編集者となる。「ブルームズベリー・グループ」に加わり,1912年 L.スティーブンの娘バージニアと結婚,17年出版社ホガース・プレスを設立。『帝国主義と文明』 Imperialism and Civilization (1928) などの評論のほか,全5巻の自伝 (60~69) がある。

ウルフ
Woolf, (Adeline) Virginia

[生]1882.1.25. ロンドン
[没]1941.3.28. サセックス,ロドメル
イギリスの女流作家。評論家 L.スティーブンの娘。 1912年同じ「ブルームズベリー・グループ」の L.ウルフと結婚した。初期の『ジェーコブの部屋』 Jacob's Room (1922) あたりから伝統小説のプロットや性格概念に対して実験的再検討を試み,『ダロウェー夫人』 Mrs. Dalloway (25) や『灯台へ』 To the Lighthouse (27) などで刻々と移り変る人物の「意識の流れ」を叙述していく方法を確立,さらに時間に対する新しい概念をこめた『オーランドー』 Orlando (28) や象徴的な『』 The Waves (31) などによって,現代小説の技法確立に大きな貢献をした。ほかに,女性らしい感受性に満ちた評論集『一般読者』 The Common Reader (2巻,25,32) ,夫の編集による『作家の日記』A Writer's Diary (53) がある。第2次世界大戦中に自殺をとげた。

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デジタル大辞泉の解説

ウルフ(Adeline Virginia Woolf)

[1882~1941]英国の女流小説家・批評家意識の流れを重視した内面描写を特色とする心理主義派。小説「ダロウェイ夫人」「」「灯台へ」、評論集「私だけの部屋」など。バージニア=ウルフ。

ウルフ(Thomas Clayton Wolfe)

[1900~1938]米国の小説家。放浪体験をもとに、自伝的な大作を残した。作「天使よ故郷を見よ」「時と川の流れ」など。トマス=ウルフ。

ウルフ(wolf)

狼(おおかみ)。

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百科事典マイペディアの解説

ウルフ

米国の作家。早くから創作を志し,自伝的長編天使よ故郷を見よ》(1929年)で文名を高めた。《時と川について》(1935年)はその続編。《くもの巣と岩》,《君ふたたび故郷に帰れず》,未完の長編《かなたの丘》などはいずれも死後刊行された。

ウルフ

米国のジャーナリスト,小説家。1960年代,現代の生活の不条理を,作者の主観を交えて小説的に描く〈ニュー・ジャーナリズム〉を提唱(《ニュー・ジャーナリズム》(1973年))。

ウルフ

英国の女性小説家。〈意識の流れ〉の手法を用いて現代小説を革新した。代表作は1日の事件で主人公の過去を描く《ダロウェー夫人》(1925年),《灯台へ》(1927年),《波》(1931年)など。
→関連項目アウエルバッハサッフォーユルスナール両性具有

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世界大百科事典 第2版の解説

ウルフ【Adeline Virginia Woolf】

1882‐1941
イギリスの女流小説家,批評家。ロンドンのケンジントンに文学者レズリー・スティーブンの第4子として生まれ,文学的な環境に育ち,自宅で教育を受けた。1904年,父の死後ブルームズベリーに移り住み,いわゆるブルームズベリー・グループの一人として,《タイムズ》文芸付録などに執筆するようになった。05年ころからすでに神経症に悩んでいる。L.ストレーチーとの恋愛が不調に終わったのち,12年,セイロンの官吏の職を辞して急遽帰国したレナード・ウルフと結婚。

ウルフ【James Wolfe】

1727‐59
イギリスの軍人。14歳で軍隊生活に入り,オランダ,ドイツなどを転戦した後,1758年,フレンチ・インディアン戦争でニューフランスのルイブール砦攻撃を命じられた。その功により陸軍少将としてケベック攻撃を命じられ,59年9月,現ケベック市のアブラハム高地の攻略に成功し,この結果ニューフランスはイギリスの手に落ちた。しかし戦傷を負い息を引き取った。【大原 祐子】

ウルフ【Thomas Clayton Wolfe】

1900‐38
アメリカの小説家。ノース・カロライナ州アッシュビルに生まれ,1920年に地元の州立大学を卒業したあとハーバードの大学院に進学,劇作術を学ぶ。28年に長編《天使よ故郷を見よLook Homeward,Angel》を完成するが,翌年に出版されたこの自伝小説は,山国の人々の生態のなまなましい描写と〈山なみのかなた〉に思いをはせる青年ユージーン・ガントのみずみずしい情感のゆえに,一躍ウルフをアメリカ文壇の新星の位置に据える。

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大辞林 第三版の解説

ウルフ【wolf】

おおかみ

ウルフ【Thomas Clayton Wolfe】

1900~1938) アメリカの小説家。自伝的な小説を書く。代表作「天使よ、故郷をのぞめ」

ウルフ【Adeline Virginia Woolf】

1882~1941) イギリスの女流小説家。心理主義の実験的作品を書き、繊細な描写に特色がある。代表作「ダロウェイ夫人」「灯台へ」「私だけの部屋」

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世界大百科事典内のウルフの言及

【灯台へ】より

…イギリスの女流小説家バージニア・ウルフの小説。1927年刊行。…

【ブルームズベリー・グループ】より

…1906年ころから,イギリスのスティーブン家の姉妹バネッサ(のちのバネッサ・ベル)とバージニア(のちのバージニア・ウルフ)の家に集まった若い知識人のグループ。名称はスティーブン家がロンドンのブルームズベリー街にあったことに由来する。…

【アメリカ文学】より

…ノリス的自然主義者スタインベックは《怒りの葡萄》(1939)で農民の窮境を叙事詩的に語り,コールドウェルは南部の貧しい白人を,J.T.ファレルは都会の不良少年を,黒人作家R.ライトは抑圧された黒人の姿を,それぞれなまなましく描いた。またT.ウルフやH.ミラーは自伝的作品によって原始的生命をもった個性への復帰を示した。 詩の分野では1912年に創刊された《ポエトリー》誌を中心に,E.L.マスターズやサンドバーグらのシカゴ・グループと呼ばれる詩人たちが中西部の民衆の心を口語的リズムで歌い出した。…

※「ウルフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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