メーン(英語表記)Maine

翻訳|Maine

精選版 日本国語大辞典 「メーン」の意味・読み・例文・類語

メーン

(main)⸨メイン
[1] 〘名〙 (形動) 主要であること。中心となること。また、そのさま。〔外来語辞典(1914)〕
[2] 〘語素〙 他の語に付けて主要、主、正面基本などの意を添える。「メーンテーブル」「メーンエベント」など。

メーン

(Sir Henry James Sumner Maine サー=ヘンリー=ジェームズ=サナー━) イギリス法学者。イギリスの歴史法学比較法学創始者主著古代法」。(一八二二‐八八

メーン

(Maine) アメリカ合衆国の州の一つ。大西洋岸の最北端にあり、カナダ国境を接する。一八二〇年マサチューセッツ州から分離して、二三番目の州となる。氷河湖針葉樹林多く林業が盛ん。州都オーガスタ。

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デジタル大辞泉 「メーン」の意味・読み・例文・類語

メーン(main)

《「メイン」とも》主要なもの。最も重要な部分。「メーンの会場」「若手がメーンの職場」
[類語]主に主たる

メーン(Henry James Sumner Maine)

[1822~1888]英国の法学者。英国歴史法学派の創始者。法学研究に歴史的・比較法学的方法を導入。「身分から契約へ」の言葉でも知られる。著「古代法」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「メーン」の意味・わかりやすい解説

メーン[州]
Maine

アメリカ合衆国ニューイングランドの州。略称Me.。連邦加入1820年,23番目。面積7万9931km2,人口132万8361(2010)。州都オーガスタ,最大都市ポートランド。州名は初期のイギリス人探検者が沖合の島から区別してメーンランドmainland(本土)と呼んだことに由来するといわれている。合衆国最北東部に位置し,クオディ岬は合衆国最東端である。アパラチア山脈に属する山地と丘陵が多く,最高点はカターディン山(1580m)。洪積世の大陸氷河による氷河湖が散在し,海岸には浅いフィヨルドが連続して変化に富んだ景観をみせる。湿潤大陸性気候で,冬は雪が多い。沖合に北大西洋漁場をひかえ,各地に漁港が発達し,沿岸でのロブスターやハマグリの漁獲など,水産業が盛んなところとして知られている。また森林が州の90%近くを覆い,林産資源が豊富で,州の工業生産で最も重要な製紙業をささえている。トウヒやモミはクリスマス・ツリーにも利用される。州南部に工業都市が多く,製紙,製材,繊維,皮革,食品加工が行われる。農産物ではジャガイモ,ブルーベリー,リンゴ,豆類などが知られ,酪農と養鶏も活発。自然美と史跡,伝統的集落景観を求めて多くの観光客が集まる。ウィンター・スポーツも盛んである。1498-99年にJ.カボットが沿岸部を探検,1607年にイギリス人が入植した。77年,マサチューセッツ植民地の一部となり,1820年にマサチューセッツ州から分離して新しい州となった。
執筆者:

メーン
Henry James Sumner Maine
生没年:1822-88

イギリスの法学者。ケンブリッジ大学卒業後,同大学ローマ法講座教授(1847-54)。この間1850年に弁護士資格をとり,62-69年の間インド総督評議会法律委員としてインド法の法典化に参画,69-78年オックスフォード大学法理学教授,71-88年インド大臣評議会成員,87-88年ケンブリッジ大学国際法講座教授等を歴任。メーンの学風にはサビニーを代表とするドイツ歴史法学派とダーウィンの進化論の影響が強く見られ,法や社会を理解するために歴史を強調するとともに,理論を史料によって基礎づけようとした点に特徴がある。かくして彼は法学に歴史学的な方法や比較法学的な方法を適用,次代の学者に強い影響を及ぼし,イギリスにおける歴史法学派の祖といわれた。過去の法の発展を〈身分から契約へ〉という標語で示したことで有名な主著《古代法》(1861)がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メーン」の意味・わかりやすい解説

メーン
Maine, Sir Henry James Sumner

[生]1822.8.15. ケルン
[没]1888.2.3. カンヌ
イギリスの法学者,歴史学者。イギリスの歴史法学派の代表者。ケンブリッジ大学卒業。 1847年に同大学民法教授となり,同時にローマ法を研究発表し,63~69年インド総督法律顧問としてインド法の集成に尽力,カルカッタ大学の代理学長をつとめた。 69年よりオックスフォード大学の歴史学,法理学教授,87年よりケンブリッジ大学国際法教授を歴任。古代法や村落共同体における法的観念の研究を通して法人類学の基礎を築いた。主著に『古代法』 Ancient Law (1861) がある。

メーン
Maine

アメリカの戦艦。その爆発事件がアメリカ=スペイン戦争の一因となったことで有名。 1895年就航。全長 98.84m,船幅 17.37m,排水量 6650t。 98年1月 25日キューバにおけるアメリカの権益擁護のためハバナ港に入港したが,同年2月 15日朝大爆発を起し,死者 260名,負傷者 47名を出して沈没。爆発の原因については不明。当時キューバではスペインに対する内乱が長期化して,キューバにおけるスペイン軍の非人道的行為に対する非難がアメリカで高まっており,この事件でキューバ人への同情とキューバ干渉論が一層刺激されて,98年4月のアメリカ=スペイン戦争開始にいたった。

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百科事典マイペディア 「メーン」の意味・わかりやすい解説

メーン

英国の法制史家,比較法学者。ケンブリッジ大学教授。歴史的・比較的方法によって名著《古代法》(1861年)を著し,ローマ法生成の社会的条件,発展過程を解明し,文明の発達を〈身分から契約へ〉という公式で説明した。ほかに《村落共同体論》《民主政府論》等の著書がある。
→関連項目身分

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世界大百科事典(旧版)内のメーンの言及

【家族】より

…しかしその後の人類学者の研究の結果,彼の学説には否定的見解が多く出されている。 家族についての先駆的研究としては,これ以前に代表的なものとしてバッハオーフェン《母権論》,H.J.S.メーン《古代法》(ともに1861),フュステル・ド・クーランジュ《古代都市》(1864)が挙げられよう。《母権論》は,原初的雑交Hetärismus期に次いで母権制あるいは女人政治制Gynaikokratieを想定し,父権制に先行するものとした。…

【古代法】より

…イギリスの歴史法学派の祖とされるH.J.S.メーンが1861年に公刊した主著。その正式名は《古代法,その初期社会史とのつながりおよび近代諸観念との関連》である。…

【法社会学】より

… また異質な社会との接触も,その社会と法の総体的把握の必要性を感じさせた。イギリスのH.J.S.メーンB.K.マリノフスキー,アメリカのR.ベネディクトの仕事はその例であるが,これらは植民地統治や占領の必要と結びついていた。 以上に対して,近代資本主義社会自体を批判するマルクス主義に基づく法の総体的分析も,法社会学の潮流の一つをなしている。…

※「メーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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