上山 草人(読み)カミヤマ ソウジン

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「上山 草人」の解説

上山 草人
カミヤマ ソウジン


職業
俳優

本名
三田 貞(ミタ タダシ)

別名
号=半月

生年月日
明治17年 1月30日

出生地
宮城県 仙台市

学歴
早稲田大学文科中退,東京美術学校中退

経歴
初め新派俳優を志し、栗島狭衣一座おとぎ芝居に。明治42年坪内逍遙の文芸協会演劇研究所に入り、44年卒業。大正元年には伊庭孝、妻・上山浦路(山川浦路)らと近代劇協会を創立、新劇運動をした。「ファウスト」「マクベス」「桜の園」などを上演。8年渡米、ハリウッドエキストラとして働き、13年「バグダッド盗賊」にダグラスフェアバンクスと共演、一躍日本人スターとなった。「支那鸚鵡」のチャーリー・チャンは当たり役。昭和4年トーキー出現で帰国、松竹新興などを転々、伊丹万作の「赤西蠣太」に按摩安甲役で出演。戦後は黒沢明の「七人の侍」の琵琶法師役が最後だった。

没年月日
昭和29年 7月28日 (1954年)

家族
妻=山川 浦路(女優)

伝記
脇役本―ふるほんに読むバイプレーヤーたち世界が称賛!!伝説のニッポン人日本人の足跡〈3〉世紀を超えた「絆」求めて聖林輪舞―セルロイドのアメリカ近代史ハリウッドの怪優 上山草人とその妻山川浦路旅人たちのバンクーバー―わが青春の田村俊子 濱田 研吾 著話題の達人倶楽部 編産経新聞「日本人の足跡」取材班 著島田 荘司 著三田 照子 著工藤 美代子 著(発行元 右文書院青春出版社産経新聞ニュースサービス,扶桑社〔発売〕徳間書店日本図書刊行会,近代文芸社〔発売〕集英社 ’05’04’02’00’96’91発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「上山 草人」の解説

上山 草人
カミヤマ ソウジン

大正・昭和期の俳優



生年
明治17(1884)年1月30日

没年
昭和29(1954)年7月28日

出生地
宮城県仙台市

本名
三田 貞(ミタ タダシ)

別名
号=半月

学歴〔年〕
早稲田大学文科中退,東京美術学校中退

経歴
初め新派俳優を志し、栗島狭衣一座おとぎ芝居に。明治42年坪内逍遙の文芸協会演劇研究所に入り、44年卒業。大正元年には伊庭孝、妻・上山浦路(山川浦路)らと近代劇協会を創立、新劇運動をした。「ファウスト」「マクベス」「桜の園」などを上演。8年渡米、ハリウッドでエキストラとして働き、13年「バグダッドの盗賊」にダグラス・フェアバンクスと共演、一躍日本人スターとなった。「支那の鸚鵡」のチャーリー・チャンは当たり役。昭和4年トーキー出現で帰国、松竹、新興などを転々、伊丹万作の「赤西蠣太」に按摩安甲役で出演。戦後は黒沢明の「七人の侍」の琵琶法師役が最後だった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上山 草人」の意味・わかりやすい解説

上山草人
かみやまそうじん
(1884―1954)

俳優。本名三田貞(ただし)。仙台生まれ。早稲田(わせだ)大学中退。東京俳優養成所、文芸協会などを経て、1912年(大正1)10月近代劇協会を設立、芸術座と対抗した。1919年に妻で女優の山川浦路とともに渡米。ハリウッドでエキストラなどをしているうち、ダグラス・フェアバンクス主演の映画『バグダッドの盗賊』(1924)に出演、特異な扮装(ふんそう)と顔だちで一躍有名となった。以後おもに中国人役で47本の映画に出演、1929年(昭和4)帰国。松竹や新興映画で主演作もあったが、しだいに振るわず、晩年は黒澤明(あきら)の『七人の侍』で無言の琵琶(びわ)法師役で出演するなどにとどまった。

[千葉伸夫]

『上山草人著『素顔のハリウッド』(1930・実業之日本社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「上山 草人」の解説

上山草人 かみやま-そうじん

1884-1954 大正-昭和時代の映画俳優。
明治17年1月30日生まれ。45年近代劇協会設立に参加。新劇俳優として活躍後,大正8年渡米し,ハリウッドで「バグダッドの盗賊」などおおくの映画に出演。昭和4年帰国後,「赤西蠣太(かきた)」「七人の侍」などに脇役で出演。昭和29年7月28日死去。70歳。宮城県出身。東京美術学校(現東京芸大)中退。本名は三田貞(ただし)。

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367日誕生日大事典 「上山 草人」の解説

上山 草人 (かみやま そうじん)

生年月日:1884年1月30日
大正時代;昭和時代の俳優
1954年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の上山 草人の言及

【近代劇協会】より

…新劇団。文芸協会を退会した上山草人(かみやまそうじん)・山川浦路(うらじ)夫妻が,伊庭孝(いばたかし)(1887‐1937),柴田勝衛,杉村敏夫らの俳優,演出家とともに,1912年5月に結成,坪内逍遥と森鷗外が顧問となった。同年10月有楽座でイプセン《ヘッダ・ガブラー》を旗揚げにとりあげ,主演女優山川浦路のヘッダが好評を博した。…

※「上山 草人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」