バンクーバー(英語表記)Vancouver

翻訳|Vancouver

精選版 日本国語大辞典 「バンクーバー」の意味・読み・例文・類語

バンクーバー

(Vancouver) カナダの太平洋岸最大の港湾都市天然良港で不凍港。一八八〇年アメリカ大陸を横断するカナダ太平洋鉄道の終点となり急速に発展した。製材・造船・化学・食品などの工業が盛ん。

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デジタル大辞泉 「バンクーバー」の意味・読み・例文・類語

バンクーバー(Vancouver)

カナダ南西部の港湾都市。大陸横断鉄道の終点。パルプ・鉄鋼・食品などの工業が発達。名は英国の探検家ジョージ=バンクーバーにちなむ。人口、都市圏227万(2008)。

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改訂新版 世界大百科事典 「バンクーバー」の意味・わかりやすい解説

バンクーバー
Vancouver

カナダ,ブリティッシュ・コロンビア州の最大都市。大都市域人口221万(2005,カナダ第3位)。アメリカ国境から北方40kmに位置するカナダ太平洋岸の最大都市。林立する近代的な高層ビル群の背後に,海岸山脈の山並みが間近にそびえる雄大な景観美を誇り,カナダの太平洋側の玄関口といわれる港湾都市である。周辺には,洪積世大陸氷河で削られたフィヨルドなどの氷河地形が展開し,ジョージア水道をへだててバンクーバー島に面する。温和な西岸海洋性気候で,冬は雨が多く,雪は少ない。市域は北側のバラード湾と南のフレーザー川河口にはさまれている。バラード湾にある港は1960年代の対日貿易の発展とともに活況を呈してきた。おもな輸出品は小麦,木材,石炭水産物で日本向けが多い。日本からは自動車,機械類を大量に陸揚げしている。港周辺には穀物エレベーターやパルプ,水産加工物などの倉庫が建ち並ぶ。カナダ太平洋岸地域最大の商業・金融中心地であり,市内外には,製紙・パルプをはじめ,機械,繊維,製糖,サケなどの缶詰,造船などの工場が多い。フレーザー川の海岸三角州に国際空港がある。バラード湾に面するスタンリー公園など観光地にも恵まれている。ブリティッシュ・コロンビア大学やサイモン・フレーザー大学の所在地。

 1865年に製材所がつくられたが,84年にカナダ初の大陸横断鉄道であるカナダ・パシフィック鉄道の太平洋側ターミナルとなったことが今日の発展の端緒となった。1900年から10年にかけて,サケの缶詰と製材業などの急速な成長が中国,イギリス,インド,アメリカ,日本などから多くの移民を呼び寄せた。第2次世界大戦は造船業を発達させた。戦後,都市再開発によって急速に変貌をとげつつある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンクーバー」の意味・わかりやすい解説

バンクーバー
Vancouver

カナダ,ブリティシュコロンビア州南西部の都市。カナダ第3の都市で,太平洋岸地域の政治,経済,教育の中心地。アメリカ合衆国 (ワシントン州) との国境近く,フレーザー川河口のデルタ上に位置する。気候は1月の平均気温3℃,7月の平均気温 18℃。年降水量は約 1500mm。 1792年イギリスの航海者 G.バンクーバーにちなみ命名された。 1870年代まで製材業の立地する集落であったが,80年代になってカナダ最初の大陸横断鉄道カナディアンパシフィック鉄道の建設が機縁となって発展。 86年市制,1919年パナマ運河開通で,プレーリーの穀物や木材の合衆国東海岸やヨーロッパへの輸出港としての地位を確立。製材,製紙業のほか,食品加工,造船,金属加工,印刷業などが盛ん。北バンクーバーとは壮麗なライオンズゲートで結ばれている。ブリティシュコロンビア大学,サイモンフレーザー大学がある。市の中心に近いスタンレー公園の大部分が保護された自然林でおおわれている。カナダ各地とアメリカ合衆国へいたる4本の幹線鉄道の起点であり,国際空港もある。人口 60万3502(2011)。

バンクーバー
Vancouver, George

[生]1757.6.22. ノーフォーク,キングズリン
[没]1798.5.10. サリー,リッチモンド
イギリスの航海者。 13歳で海軍に入り,J.クックの2回目 (1772~75) ,3回目 (76~79) の航海に参加。 1791年北アメリカ北西海岸の探検隊の隊長に任命され,喜望峰経由で出発。北緯 52°18′まで北上し,バンクーバー島の地域を詳細に調査。 93年にも北緯 56°44′まで探検。 94年サンフランシスコの北海岸を調査したのち,ホーン岬,セントヘレナ経由で帰国の途についた。バンクーバー島およびバンクーバー市は彼の名にちなんで命名したもの。著書"A voyage of Discovery to the North Pacific Ocean" (3巻,98) 。

バンクーバー
Vancouver

アメリカ合衆国北西部,ワシントン州の港市。コロンビア川右岸にあり,大型汽船の遡航の終点にあたる。 1824年ハドソン湾会社の太平洋岸における拠点として建設された。農業,製材業,軽工業を中心に発展。砦は 48年アメリカ合衆国の軍用保留地となる。アルミニウム,化学薬品などの製造が行われ,ビール醸造,缶詰工業なども盛んである。近郊では園芸,酪農も行われる。現在,古い防御柵跡はフォートバンクーバー国立記念碑となり,グラントハウス博物館,クラークカレッジや聴覚・視覚障害児のための州立学校がある。人口 16万1791(2010)。

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百科事典マイペディア 「バンクーバー」の意味・わかりやすい解説

バンクーバー

英国の航海者,探検家。クックの案内者として1772年―1775年および1776年―1780年に航海。のち太平洋を航海して米国に至り,1792年―1794年北アメリカの太平洋岸を探検測量した。バンクーバー島は彼の名にちなむ。

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