実川 延三郎(4代目)(読み)ジツカワ エンザブロウ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「実川 延三郎(4代目)」の解説

実川 延三郎(4代目)
ジツカワ エンザブロウ


職業
歌舞伎俳優

本名
石田 正太郎

別名
前名=実川 正三郎,俳名=延賞

生年月日
元治1年 4月

出生地
京都府

経歴
初代実川延若の弟子となって実川正三郎と名乗り、明治2年6歳の時に大坂筑後芝居に子役として初舞台を踏む。21年3代目延三郎没後に同家の養子となり、4代目を継ぐ。若衆方若女形を兼ね、22年京南側芝居「権妻於辰手活紫陽花」に治兵衛とお初と夕きりの3役をつとめる。36年東京に上り市村座「日蓮大士真実伝」に4役をこなした。書出しの地位を占めて一等俳優となり、和実本領とした。37年上方に戻り京明治座の慈善興行に出演、これが名残舞台となる。門人の実川正若(5代目実川延三郎)を養子とした。

没年月日
明治38年 1月23日 (1905年)


実川 延三郎(5代目)
ジツカワ エンザブロウ


職業
歌舞伎俳優

本名
土村 国蔵

別名
前名=実川 正若,俳名=延賞

生年月日
明治4年

出生地
大阪府 大阪市西区阿波座

経歴
初代実川延若の門人となって実川正若と名乗り、明治9年大阪戎座「護国婦女太平記」に子役として初舞台を踏む。のち4代目延三郎の養子となる。28年頃、京都新京極の阪井座で座本となり上景気を続けたという。38年養父が没したため、2月大阪角座で5代目延三郎を襲名、その後は大芝居で活躍。43年一等俳優となる。実事を最も得意とした。甥・土村秀雄(3代目実川延太郎 6代目実川延三郎)を養子とした。

没年月日
明治44年 8月14日 (1911年)


実川 延三郎(6代目)
ジツカワ エンザブロウ


職業
歌舞伎俳優

本名
土村 秀雄

別名
前名=実川 延太郎

屋号
井筒屋

生年月日
明治39年

経歴
5代目実川延三郎の甥。のち養子となる。明治43年京都南座で初舞台を踏む。翌44年8月養父が没し一時舞台から遠ざかったが、大正8年正月、実川延太郎を名乗って中村鴈治郎一座に所属、扇雀(のち2代目鴈治郎)の青年劇に参加する。昭和10年3月大阪中座で6代目実川延三郎を襲名。美貌の若女形として期待されたが早逝した。

没年月日
昭和16年 12月8日 (1941年)


実川 延三郎(3代目)
ジツカワ エンザブロウ


職業
歌舞伎俳優

本名
実川 菊次郎

別名
俳名=延賞

生年月日
安政3年

出身地
京都府

経歴
初代実川延三郎の門人となり、本名のまま上方の舞台に子役としてつとめる。明治5年実川延三郎家の養子となり6年3代目延三郎を襲名。若衆方と若女形とを兼ねたが21年2月大阪角座「忠臣蔵」に出演中に死去。

没年月日
明治21年 2月8日 (1888年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「実川 延三郎(4代目)」の解説

実川延三郎(3代) じつかわ-えんざぶろう

1856-1888 幕末-明治時代の歌舞伎役者。
安政3年生まれ。初代実川延三郎の門人となり,上方の舞台で子役をつとめる。2代実川延三郎の没後,養子となり,明治7年3代をつぐ。和事(わごと)にすぐれ,若衆方と若女方をかねた。明治21年2月8日死去。33歳。京都出身。本名,前名とも実川菊次郎。俳名は延賞。

実川延三郎(2代) じつかわ-えんざぶろう

1848-1872 幕末-明治時代の歌舞伎役者。
嘉永(かえい)元年生まれ。2代実川額十郎の子。文久元年から若立役(わかたちやく)となり,女方もかねる。元治(げんじ)2年2代延三郎をついで将来を期待されたが,明治5年10月7日死去。25歳。京都出身。前名は実川延太郎。俳名は延賞。屋号は井筒屋。

実川延三郎(4代) じつかわ-えんざぶろう

1864-1905 明治時代の歌舞伎役者。
元治(げんじ)元年4月生まれ。初代実川延若の弟子となり,6歳のとき実川正三郎の名で大阪で初舞台。明治21年3代延三郎没後に養子となり,4代をつぐ。和実(わじつ)を本領とした。明治38年1月23日死去。42歳。京都出身。本名は石田正太郎。俳名は延賞。

実川延三郎(5代) じつかわ-えんざぶろう

1870-1911 明治時代の歌舞伎役者。
明治3年生まれ。初代実川延若の門人で,明治9年大阪戎(えびす)座で初舞台。のち4代延三郎の養子となり,38年5代をつぐ。実事(じつごと)を得意とした。明治44年8月14日死去。42歳。京都出身。本名は土村国蔵。前名は実川正若。俳名は延賞。

実川延三郎(初代) じつかわ-えんざぶろう

実川額十郎(じつかわ-がくじゅうろう)(2代)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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