煙草(読み)タバコ(英語表記)〈ポルトガル〉tabaco

デジタル大辞泉 「煙草」の意味・読み・例文・類語

タバコ【煙草/莨】

ナス科の多年草。日本では一年草。高さ1.5~2メートルになり、大きい楕円形の葉が互生する。夏、細長いらっぱ状の淡紅色の花を多数開く。葉にニコチンを含み、喫煙用に加工したり、殺虫剤原料としたりする。南アメリカ原産で、桃山時代輸入 花=秋》
タバコの葉を乾燥・加工したもの。火をつけて吸煙する。
[類語]シガレットシガー葉巻巻きタバコ紙巻きタバコ刻みタバコ嗅ぎタバコ噛みタバコ

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「煙草」の解説

煙草
たばこ

ナス科の1年草。原産地は南アメリカのボリビアアルゼンチンの国境地域。「新大陸発見」とともに16世紀初頭,スペイン人によって西ヨーロッパに伝えられた。はじめは鑑賞用として栽培されたが,喫煙の風習の広がりによって作付が拡大した。葉はニコチンを大量に含み,乾燥して発酵させ,刻んで喫煙の料とした。日本へはスペイン人によって近世初頭に種子がもたらされ,短期間のうちに各地に栽培が普及した。幕府は再三喫煙と作付を禁止したが,やがて嗜好品を代表する商品作物となった。元禄期には栽培法の改良がすすみ,薩摩国分・丹波国大野などの名産地が形成された。近代では煙草専売制が実施された。

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旺文社日本史事典 三訂版 「煙草」の解説

煙草
たばこ

室町末期,ポルトガル人が伝えた作物。葉を乾燥させて喫煙する
ポルトガル語tabacoによる。刻みたばこを煙管 (きせる) で吸う。江戸幕府慶安御触書などで,たびたび喫煙を禁止したがやがて黙認。商品作物として普及し,薩摩の国分 (こくぶ) などが特産地として有名。1904年日露戦争に際して専売法を発布。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「煙草」の解説

煙草 (タバコ・ケムリグサ;ケブリグサ)

学名:Nicotiana tabacum
植物。ナス科の一年草,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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