酒井 竹保(2代目)(読み)サカイ チクホ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「酒井 竹保(2代目)」の解説

酒井 竹保(2代目)
サカイ チクホ


職業
尺八奏者

肩書
竹保流2代目宗家

本名
酒井 周政(サカイ チカマサ)

別名
前号=竹道

生年月日
昭和8年 1月1日

出生地
大阪

学歴
生野高〔昭和27年〕卒

経歴
初代竹保に6歳から師事、宗悦流から出て明暗流にも学んだ。昭和39年NHK放送で諸井誠の尺八独奏曲「竹籟五章」を初演現代邦楽の放送ブームの発端となった。のち諸井の「対話五題」も初演、横山勝也、青木鈴慕、弟の酒井松道らと共演。40年「竹籟五章」を東京の第6回現代音楽祭でステージ初演。42年父の引退で2代目を継ぎ、竹保流宗家となった。大阪で古典三曲合奏、古典本曲に活躍、京都・明暗寺の尺八奉納演奏に尽力。長尺管尺八が得意。55年東京音楽芸術祭の“日本の演奏家”の一人に選ばれた。その後病に倒れ、59年弟の松道に宗家を譲る。

所属団体
明暗寺虚竹禅師奉賛会(常任理事)

受賞
大阪文化祭賞〔昭和42年〕

没年月日
平成4年 1月31日 (1992年)

家族
父=酒井 竹保(初代),弟=酒井 松道(竹保流3代目宗家)


酒井 竹保(初代)
サカイ チクホ


職業
尺八奏者

肩書
竹保流創始

本名
酒井 政美(サカイ マサヨシ)

別名
前名=酒井 松道,後名=酒井 竹翁(サカイ チクオウ)

生年月日
明治25年 11月15日

出生地
大阪

学歴
中学〔明治40年〕中退

経歴
大阪の商家に生まれ、13歳の頃から尺八を独習。18歳で松調流(宗悦流の分派)の藤田松調に入門、翌年から松道の芸名で教授を開始。その後、流派の規約をめぐって師と対立し、大正6年竹保流を創始。宗悦流楽譜を参考に独自の竹保流楽譜を考案し、昭和初期から邦楽の革新運動を展開した。一方、明暗真法流を勝浦正山、源雲界に師事し、古典の普及にも努めた。昭和42年引退し、竹翁を名乗る。

所属団体
大阪三曲協会(理事),東洋音楽協会(会長)

受賞
勲五等双光旭日章〔昭和44年〕

没年月日
昭和59年 10月18日 (1984年)

家族
息子=酒井 竹保(竹保流2代目宗家),酒井 松道(竹保流3代目宗家)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「酒井 竹保(2代目)」の解説

酒井 竹保(2代目)
サカイ チクホ

昭和期の尺八奏者 竹保流2代目宗家。



生年
昭和8(1933)年1月1日

没年
平成4(1992)年1月31日

出生地
大阪

本名
酒井 周政(サカイ チカマサ)

別名
前号=竹道

学歴〔年〕
生野高〔昭和27年〕卒

主な受賞名〔年〕
大阪文化祭賞〔昭和42年〕

経歴
父初代竹保に6歳から師事、宗悦流から出て明暗流にも学んだ。昭和39年NHK放送で諸井誠の尺八独奏曲「竹籟五章」を初演、現代邦楽の放送ブームの発端となった。のち諸井の「対話五題」も初演、横山勝也、青木鈴慕、弟の酒井松道らと共演。40年「竹籟五章」を東京の第6回現代音楽祭でステージ初演。42年父の引退で2代目を継ぎ、竹保流宗家となった。大阪で古典三曲合奏、古典本曲に活躍、京都・明暗寺の尺八奉納演奏に尽力。長尺管尺八が得意。55年東京音楽芸術祭の“日本の演奏家”の一人に選ばれた。その後病に倒れ、59年弟の松道に宗家を譲る。


酒井 竹保(1代目)
サカイ チクホ

大正・昭和期の尺八奏者 竹保流創始者。



生年
明治25(1892)年11月15日

没年
昭和59(1984)年10月18日

出生地
大阪

本名
酒井 政美(サカイ マサヨシ)

別名
前名=酒井 松道,後名=酒井 竹翁(サカイ チクオウ)

学歴〔年〕
中学〔明治40年〕中退

主な受賞名〔年〕
勲五等双光旭日章〔昭和44年〕

経歴
大阪の商家に生まれ、13歳の頃から尺八を独習。18歳で松調流(宗悦流の分派)の藤田松調に入門、翌年から松道の芸名で教授を開始。その後、流派の規約をめぐって師と対立し、大正6年竹保流を創始。宗悦流楽譜を参考に独自の竹保流楽譜を考案し、昭和初期から邦楽の革新運動を展開した。一方、明暗真法流を勝浦正山、源雲界に師事し、古典の普及にも努めた。昭和42年引退し、竹翁を名のる。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「酒井 竹保(2代目)」の解説

酒井竹保(初代) さかい-ちくほ

1892-1984 大正-昭和時代の尺八奏者。
明治25年11月15日生まれ。宗悦流系松調流の藤田松調に入門し松道を名のる。また勝浦正山らに明暗真法(みょうあんじんぽう)流をまなぶ。独自の記譜法を考案してみずから作曲し,竹保流をきずいた。昭和42年引退して竹翁と号し,長男周政が2代をついだ。昭和59年10月18日死去。91歳。大阪出身。本名は政美。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「酒井 竹保(2代目)」の意味・わかりやすい解説

酒井竹保
さかいちくほ

竹保流

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の酒井 竹保(2代目)の言及

【尺八】より

…都山流は創始者自身の活発な活動とさまざまな新工夫によって短年月のうちに広まり,大正年間以後は琴古流と並んで尺八楽の二大流派となっている。この都山流から1917年に上田流(流祖は初世上田芳憧)が大阪で分派独立し,また,同じ年にやはり大阪で,宗悦流の別系統から竹保(ちくほ)流(流祖は初代酒井竹保)が生まれた。 以上,琴古,都山,上田,竹保の4流が近代尺八楽として一般化している流派であるが,そのうち琴古流は古曲本曲と外曲を曲目とし,他の3流は外曲と各流独自の新しい本曲(一部の古典本曲も含む)を曲目としている。…

※「酒井 竹保(2代目)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」