横山勝也(読み)ヨコヤマ カツヤ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「横山勝也」の解説

横山 勝也
ヨコヤマ カツヤ


職業
尺八奏者(琴古流)

肩書
東京音楽大学名誉教授,国際尺八研修館館長

本名
横山 信也(ヨコヤマ シンヤ)

別名
雅号=横山 普雪

生年月日
昭和9年 12月2日

出身地
静岡県 沼津市

学歴
清水東高〔昭和28年〕卒,NHK邦楽技能者育成会〔昭和35年〕修了

経歴
尺八の世界で知られた家柄に生まれ、清水東高校を卒業すると化学会社に就職したが、24歳で上京して尺八を海童道祖らに師事。昭和39年山本邦山、青木静夫(2代目青木鈴慕)と尺八三本会を結成流儀を越えた活動は“尺八ルネッサンス”と呼ばれる尺八ブームを起こした。42年武満徹作曲「ノベンバー・ステップス」の小沢征爾指揮ニョーヨーク・フィル初演に出演。世界50ケ国以上で公演を行い、国際尺八研修館館長を務めるなど、国内外での尺八普及に力を注いだ。45年芸術選奨文部大臣賞、47年芸術祭賞大賞を受け、平成12年紫綬褒章受章。作曲に「音句」「二つの唄」「惜春」「魔切」「響流」など、著書に「尺八楽の魅力」がある。

受賞
芸術選奨文部大臣賞〔昭和45年〕 紫綬褒章〔平成12年〕 芸術祭賞優秀賞〔昭和46年〕,芸術祭賞大賞〔昭和47年〕,レコード・アカデミー賞(日本人演奏部門)〔平成3年〕,モービル音楽賞(第21回)〔平成3年〕,伝統文化ポーラ賞(ポーラ賞 第19回)〔平成11年〕

没年月日
平成22年 4月21日 (2010年)

家族
祖父=横山 篁邨,父=横山 蘭畝,母=横山 かよ(生田流箏曲教授)

伝記
竹と生きる―勝也尺八修行帖私の転機―道を拓く 横山 勝也 著朝日新聞「こころ」のページ 編(発行元 音楽之友社海竜社 ’94’86発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「横山勝也」の意味・わかりやすい解説

横山勝也
よこやまかつや

[生]1934.12.2. 静岡
[没]2010.4.21. 東京
琴古流尺八家。本名横山信也。祖父である琴古流の横山篁邨,父で新尺八の福田蘭童にも師事した横山蘭畝から尺八を習い,その後,福田や父と交流のあった海童道祖(わたづみどうそ)という路線を異にする師匠について学んだ。このことは NHK邦楽技能者育成会で合奏主軸とした現代奏法も習得したこととあわせて,芸域を広げるのに大きく影響した。1964年日本音楽集団の設立に参加。同 1964年青木鈴慕,山本邦山と「尺八三本会」を結成し注目を浴びる。おもに長管を担当し,やわらかく深みのある音を聴かせた。篠田正浩監督の映画『暗殺』で武満徹と出会い,1967年には武満がニューヨーク・フィルハーモニックから委嘱されて作曲した琵琶と尺八とオーケストラのための『ノヴェンバー・ステップス』をニューヨーク小澤征爾の指揮,鶴田錦史の琵琶で初演し,好評を得た。1970年度芸術選奨文部大臣賞,1971年度芸術祭賞優秀賞,1972年度芸術祭賞大賞を受賞。多くの優れた若手演奏家を育て,幅広い国際交流を視野に国際尺八研修館を設立するなど,現代尺八の興隆に大きく貢献した。著書に『尺八楽の魅力』(1985)がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「横山勝也」の解説

横山勝也 よこやま-かつや

1934-2010 昭和後期-平成時代の尺八奏者。
昭和9年12月2日生まれ。福田蘭童,のち海童道祖(わたづみ-どうそ)に師事。昭和39年2代山本邦山,2代青木鈴慕と尺八三本会を結成。42年小沢征爾指揮のニューヨーク-フィルと武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」を演奏,以来国際的に活躍。作曲も手がけた。平成22年4月21日死去。75歳。静岡県出身。NHK邦楽技能者育成会修了。本名は信也。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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