BPSD(読み)ビーピーエスディー

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

BPSD
びーぴーえすでぃー

認知症に伴う行動・心理症状のこと。Behavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの略。認知症の症状は患者のほぼすべてにみられる中核症状と、中核症状に伴って現れる精神症状・行動障害を示す周辺症状に分類される。BPSDはこの周辺症状とほぼ同一の症状・行動ととらえてよいとされている。中核症状は脳機能の低下を直接示すもので、物忘れなど記憶障害、時間・場所・人などの見当識障害、判断・理解力の低下、失認・失行などがみられる。BPSDは中核症状の進行に伴って二次的に現れる。精神症状としては抑うつ、不安、幻覚、妄想、睡眠障害などがみられ、行動障害としては暴力・暴言など攻撃的行動、叫声、拒絶、徘徊(はいかい)、不潔行為、異食などがみられる。BPSDが現れると日常生活にも支障を生じ、周囲の介護者にも多くの負担を強いることになるため、介護する環境を整え、寝たきりなどにならないよう配慮し、日常的な人間関係にも留意して、できる限り症状の軽減を図るよう努めることが重要である。
 厚生労働省が策定した「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」では、BPSDの発現には身体的・環境的要因が関与することがあるため、対応の第一選択としては非薬物的介入が原則であるとしている。また、BPSDの治療では向精神薬の使用は適用外であるため基本的には使用せず、使用する場合は十分な説明を行い、同意を得たうえで低用量で開始することとしている。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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