経営陣による自社買収を意味する「Management Buyout(マネジメント・バイアウト)」の略。経営陣が自社の株式を買い取り、非上場企業にする。敵対的な買収を防げるほか、経営の自由度が高まり事業の構造改革を進めやすくなる利点がある。一方で、株主からの監視機能がなくなり、経営が不透明になるとの懸念が指摘される。今年11月には、ベネッセホールディングスや給食大手シダックスもMBO実施を表明した。
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management buyoutの略。経営者や従業員が自社の株式を取得して事業経営を承継すること。M&A(企業の合併・買収)の一形態だが、身内への事業売却となるため、「現代版のれん分け」ともいえる。大企業が子会社を手放したり、中小企業のオーナーが後継者に事業を譲る際に活用されるケースが多い。買収する側にとっては、なじんできた事業で人材など経営資源や商権を一括して引き継げるというメリットがある。買収資金の調達方法としては、外部の金融機関や投資ファンドなどと組む場合が多い。日本では、事業の再編・絞込み策から外れた部門や、非効率事業、子会社を整理・売却する際などに、2000年代に入って大手企業を中心に活用例が増えた。近年では、敵対的買収を仕掛ける外資などから企業を防衛する目的、あるいは経営の自由度・機動性を高めたいといった動機などから、MBOを実施して上場廃止(株式非公開)にするケースも目だつ。
[原 正輝]
(高橋宏幸 中央大学教授 / 2008年)
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