抗結核薬の一つで,パラアミノサリチル酸p-aminosalicylic acidの略称。1943年,スウェーデンのレーマンOrla Lehmannによって,結核菌に対して抗菌作用をもつことが発見された。パスは低濃度では多くの細菌に対しては有効性をもたないが,結核菌に対してのみ強力に作用するという特徴を有し,肺結核,喉頭結核,腸結核に対して有効である。副作用としては嘔吐,悪心などの胃腸症状があるが,日本で開発されたカルシウム塩(パラアミノサリチル酸カルシウム)は胃腸症状は少ない。1950年代に多用されたが,その後ストレプトマイシンなどの抗生物質をはじめ,イソニコチン酸ヒドラジド(INAH),リファンピシンなど,より優れた抗結核薬が開発されたため,現在ではあまり用いられていない。
→結核 →肺結核
執筆者:福富 正
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
…バレエ作品の中の民族舞踊および芝居の多い踊り,またはその踊り手をいう。グラン・パgrand pasいくつかの舞踊を集め,一つのまとまりのある体裁を整えたもので,バレエ作品の一部として現れること(例:《ドン・キホーテ》終幕)もあれば,独立した演目として踊られること(例:《パキータ》)もある。通常アントレ,アダジオ,いくつかのバリアシヨン,コーダよりなる。…
…また95年のレントゲンのX線発見は,肺結核の臨床診断に画期的進歩をもたらした。さらに1908年,パスツール研究所のA.カルメットとC.ゲランは,病原性なしに人体に結核免疫を人工的に与えることのできるBCGの発見に成功し,21年フランスのアレAdrien Hallé(1859‐1947)はBCGワクチンを新生児に初めて結核発病予防の目的で接種した。このBCGは25年志賀潔によって日本にもたらされ,昭和の初めから今村荒男を中心とする研究が始まった。…
※「PAS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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