PAS(読み)パス

デジタル大辞泉 「PAS」の意味・読み・例文・類語

パス【PAS】[para-aminosalicylic acid]

para-aminosalicylic acid結核治療用の内服薬パラアミノサリチル酸略称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「PAS」の意味・読み・例文・類語

パス【PAS】

  1. 〘 名詞 〙 ( PAS は[英語] para-aminosalicylic acid (パラアミノサリチル酸)の略 ) 結核治療剤。無臭の白色結晶または粉末で、やや苦味がある。内服薬。
    1. [初出の実例]「ストマイもパスもヒドラジドもなかった昔」(出典:ストマイつんぼ(1956)〈大原富枝〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「PAS」の意味・わかりやすい解説

PAS (パス)

抗結核薬の一つで,パラアミノサリチル酸p-aminosalicylic acidの略称。1943年,スウェーデンレーマンOrla Lehmannによって,結核菌に対して抗菌作用をもつことが発見された。パスは低濃度では多くの細菌に対しては有効性をもたないが,結核菌に対してのみ強力に作用するという特徴を有し,肺結核喉頭結核腸結核に対して有効である。副作用としては嘔吐,悪心などの胃腸症状があるが,日本で開発されたカルシウム塩(パラアミノサリチル酸カルシウム)は胃腸症状は少ない。1950年代に多用されたが,その後ストレプトマイシンなどの抗生物質をはじめ,イソニコチン酸ヒドラジドINAH),リファンピシンなど,より優れた抗結核薬が開発されたため,現在ではあまり用いられていない。
結核 →肺結核
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「PAS」の意味・わかりやすい解説

PAS
パス

C7H7NO3 。パラアミノサリチル酸 Paraaminosalicylic acidの略称。 1946年にスウェーデンの J.レーマンが抗結核性を確認して報告した合成結核治療剤。ストレプトマイシン,イソニアジドとの併用を常とする。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

内科学 第10版 「PAS」の解説

PAS

periodic acid-Schiff(stain) ,過ヨウ素酸Schiff(染色

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

栄養・生化学辞典 「PAS」の解説

PAS

 →過ヨウ素酸シッフ反応

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のPASの言及

【バレエ】より

…バレエ作品の中の民族舞踊および芝居の多い踊り,またはその踊り手をいう。グラン・パgrand pasいくつかの舞踊を集め,一つのまとまりのある体裁を整えたもので,バレエ作品の一部として現れること(例:《ドン・キホーテ》終幕)もあれば,独立した演目として踊られること(例:《パキータ》)もある。通常アントレ,アダジオ,いくつかのバリアシヨン,コーダよりなる。…

【肺結核】より

…また95年のレントゲンのX線発見は,肺結核の臨床診断に画期的進歩をもたらした。さらに1908年,パスツール研究所のA.カルメットとC.ゲランは,病原性なしに人体に結核免疫を人工的に与えることのできるBCGの発見に成功し,21年フランスのアレAdrien Hallé(1859‐1947)はBCGワクチンを新生児に初めて結核発病予防の目的で接種した。このBCGは25年志賀潔によって日本にもたらされ,昭和の初めから今村荒男を中心とする研究が始まった。…

※「PAS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android