PDCAサイクル(読み)ピーディーシーエーサイクル(英語表記)PDCA cycle

翻訳|PDCA cycle

デジタル大辞泉 「PDCAサイクル」の意味・読み・例文・類語

ピーディーシーエー‐サイクル【PDCAサイクル】

PDCA cycle PDCAは、plan-do-check-actaction)の略》生産品質などの管理円滑に進めるための業務管理手法の一。(1)業務の計画(plan)を立て、(2)計画に基づいて業務を実行(do)し、(3)実行した業務を評価(check)し、(4)改善活動(act)が必要な部分はないか検討し、次の計画策定に役立てる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「PDCAサイクル」の意味・わかりやすい解説

PDCAサイクル
ぴーでぃーしーえーさいくる
PDCA cycle

品質改善や経費削減、環境マネジメント、情報セキュリティなど、多くの分野で用いられる管理手法の一つ。plan(計画)、do(実行)、check(評価)、act(改善)のステップを繰り返し、つねに不都合を改善しながら次の計画に周期ごとの成果を反映させて、業務の質を継続的に向上させていくことが特徴であり、四つのステップは呼称語源にもなっている。アメリカやヨーロッパでは、この考え方を提唱した統計学者デミングWilliam Edwards Deming(1900―1993)にちなんで、デミングサイクル、デミングホイールともよばれる。

 PDCAサイクルの考え方は、日本でも製造業の品質維持や改善のためのシステムとして評価され、品質管理の国際基準であるISO9000やISO14000などの環境マネジメントシステムとして採用されている。また、国や自治体の電子行政やセキュリティ対策にも高い効果が得られ、行政政策を管理する手法としても積極的に導入されている。

[編集部]

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大学事典 「PDCAサイクル」の解説

PDCAサイクル
ピーディーシーエーサイクル

組織を経営機能の循環システムとして捉え,目標・計画(Plan)実施(Do)点検・評価(Check),改善(Action)一連の過程からなる目標管理手法。まず組織としての目標を設定し,具体的な行動計画を策定する(P)。そして,組織編成・役割分担を含め策定した行動計画を実行し(D),目標との適合性の観点から点検・評価を行う(C)。点検・評価によって当初の計画に問題があれば修正し,計画の改訂を行う(A)。高等教育におけるグローバル化とユニバーサル化への対応は,日本国内のみならず世界共通の課題となっている。そして,20世紀終盤から高等教育の質保証に関する枠組みの策定が国レベル,地域レベルで急速に進められている。とくに各機関における内部質保証システムの構築は焦眉の課題となっており,自己点検・評価の実質化や認証評価・法人評価等の第三者評価制度において,PDCAサイクルは効果的なフレームとして推奨されている。
著者: 山田剛史

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「PDCAサイクル」の解説

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、行動プロセスの枠組みのひとつ。Plan(計画)、Do(実行)、Check(確認)、Action(行動)の4つで構成されていることから、PDCAという名称になっている。従来、PDCAサイクルの考え方は、公共分野において事業の円滑を推進するために取り入れられていた。近年、企業においてリスクマネージメントが重要になってきたことから、リスクマネージメントを円滑に行なう際の拠り所として取り入れられている。さらに、PDCAサイクルは、企業のリスクマネージメントの評価を行なう際の基準にも用いられる。例えば、物の品質に関するISO 9000や、環境に関するISO 14000の認証審査では、PDCAサイクルを取り入れた経営が行なわれているかが、重要な判断基準の1つとなっている。

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人材マネジメント用語集 「PDCAサイクル」の解説

PDCAサイクル

・1950年、品質管理の父 エドワード・デミングによって提唱された考え方で生産プロセス、業務改善の連続的なフィードバックツールとして発展した。
・業務遂行に際し、「計画をたて(Plan)、実行し(Do)、その評価(Check)にもとづいて改善(Action)を行う、という工程を継続的に繰り返す」仕組み(考え方)のことを言う。
・業務を流れで捉え、評価を次の計画に活かして業務遂行をより高いレベルにもっていくことで、民間企業では品質向上や経費削減などに用いられる。
・業務管理をするマネジメントツールとして広く用いられている。

出典 (株)アクティブアンドカンパニー人材マネジメント用語集について 情報

百科事典マイペディア 「PDCAサイクル」の意味・わかりやすい解説

PDCAサイクル【ピーディーシーエーサイクル】

企業活動において業務を継続的に改善していく手法の一つ。Plan(計画),Do(実行),Check(評価),Act(改善)の4つの頭文字を取ったもの。最後のActの実施を受け,次のPDCAサイクルのPlanに繋げることで,継続的に業務改善を実施していく。品質管理や生産管理など,様々な場面で活用されている。

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農林水産関係用語集 「PDCAサイクル」の解説

PDCAサイクル

計画(Plan)-実行(Do)-事後評価(Check)-措置(Act)の継続的な繰り返し。

出典 農林水産省農林水産関係用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のPDCAサイクルの言及

【ソフトウェア工学】より

…何人の要員が何ヵ月かかるかを人月(マンマンス)という単位で表してソフトウェアの量を測る目安にしていたが,マンとマンスが可換でないことを示したことになる。 ソフトウェアの開発は,品質管理のPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルに合わせて,要求分析システム定義,システム設計,プログラム設計,プログラミング,ソフトウェアテスト,運用保守,といういくつかの段階からなるソフトウェアのライフサイクルで捉えると便利である。それぞれの段階間には,機能仕様書,システム設計仕様書,プログラム設計仕様書,といった定型の仕様書を用意する。…

※「PDCAサイクル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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