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SDR エスディーアールSpecial Drawing Rights

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

SDR
エスディーアール
Special Drawing Rights

国際通貨基金 IMFからの特別引出権国際流動性の不足を補填することを目的として 1970年1月に正式発効した。 IMFへの出資額に応じて加盟国に割当てられ,対価として他国から外貨または自国通貨を取得できる。当初 1SDRは1米ドル,純金 0.888671gと等価値とされていたが,74年7月以降,16ヵ国の通貨の為替レート加重平均した標準バスケット方式で決定されるようになった。その後,78年に一部通貨の入替えとウエイト (比率) 修正を行なったのち,81年1月からは,アメリカ,日本,西ドイツ (当時) ,イギリスフランスの5ヵ国の通貨による標準バスケット方式となり,各通貨のウエイトは5年ごとに見直しが行われている。

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知恵蔵の解説

SDR

IMFによって創出・配分された準備資産外貨準備不足を来した国は、IMFの指定する国にSDRを引き渡すことによって被指定国から交換可能通貨を引き出すことができる。国際流動性の不足に対応するため、金、ドルなどの準備資産を補完する目的で1969年のIMF協定改正により創出された。SDRは出資額に応じて加盟国に配分され、その価値は当初、金を基準としていたが、74年からは主要16カ国の通貨の加重平均によるバスケット方式に改められ、また81年からは、米ドル、旧西独マルク、円、仏フラン、英ポンドの5大通貨を内容とするバスケット方式に変更された(99年1月のユーロ誕生以降、独マルクと仏フランはユーロに収束)。SDRの構成通貨及び構成割合は5年ごとに見直されるが、2006年1月の見直し後のバスケットは「0.632ドル+0.410ユーロ+18.4円+0.0903ポンド」となっている。また、金利はバスケット構成通貨国の市場金利の加重平均によって決められている。

(絹川直良 国際通貨研究所経済調査部長 / 2007年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

SDR

SpecialDrawingRights(特別引き出し権)の略。国際通貨基金(IMF)への出資額に応じて、加盟各国に割り当てられる準備資産。急激な資本流出などで資金が足らなくなった加盟国は、SDRと交換することで他の加盟国から広く世界で流通しているドルやユーロ、円といった通貨を融通してもらえる。IMFが1969年に金やドルを補う準備資産としてつくり出した。

(2011-03-03 朝日新聞 朝刊 1経済)

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デジタル大辞泉の解説

エス‐ディー‐アール【SDR】[Special Drawing Rights]

Special Drawing Rights》特別引出権。IMF国際通貨基金)加盟国が、国際収支の悪化などに際し、自国に配分されているSDRを他の加盟国に引き渡すことにより、必要とする外貨を入手することができる権利。1969年に創設され、70年から配分が始められた。
[補説]SDRの価値は国際的に自由に取引できる複数の通貨の加重平均によって決定される。SDRの通貨バスケットは米ドル・ユーロ・円・英ポンドによって構成され、2016年10月から中国の人民元が加えられた。

エス‐ディー‐アール【SDR】[software defined radio]

software defined radio》⇒ソフトウエア無線

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百科事典マイペディアの解説

SDR【エスディーアール】

IMF特別引出権

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世界大百科事典 第2版の解説

エスディーアール【SDR】

特別引出権special drawing rightsの略称。IMF(国際通貨基金)加盟国は,必要な為替資金をIMFからの借入れによって手当てすることができるが,1970年以降IMFを経由して他の加盟国からも必要資金を調達できるようになった。その場合,加盟国はIMFによって創出され配分されたSDRを用いて,必要な通貨を引き出すことができるのである。つまり,加盟国はIMFに対し引出権(IMF引出権)をもつと同時に,外貨準備の豊富な特定の加盟国に対しSDRをもつことになった。

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大辞林 第三版の解説

SDR

〖special drawing rights〗
IMF の特別引出権。IMF 加盟国の出資割当額に応じて配分され、国際収支の悪化や国際流動性(対外支払い準備)の不足の際に、外貨を豊富に保有する他の加盟国から外貨を引き出す権利。1969 年策定。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

SDR
えすでぃーあーる

国際通貨基金(IMF)の特別引出権Special Drawing Rightの略称。金、ドルに次ぐ第三の世界貨幣を目ざすもの。
 第二次世界大戦後、各国政府は国際収支の不均衡に備えて金、ドルを保有するとともに、IMFに加盟し、必要とする際にはIMFから資金を借り入れるようにしていた。IMFはこのような加盟国の要請に応ずるために、加盟各国に経済力に比例して金と自国通貨で出資させ、それを共同プールして運用した。ところで、世界貿易が拡大するにつれて、これら各国の対外支払準備(国際流動性ともいう)もまた増加させる必要があるが、金は年々の生産に限度があり、また、ドルの供給はアメリカの国際収支の赤字によって可能となるので、行きすぎればドル不安を起こす。事実、1960年代に入るとドル不安が発生し、金、ドルに次ぐ新しい国際通貨の創出が緊急課題となった。先進主要加盟国が中心となって多くの案が検討されたが、68年にIMF理事会の採択によって決まったのがSDRの創設であった。特別引出権というのは、従来のIMF勘定を一般勘定とよび、それによる一般引出権(GDR)のほかに設けられた特別なものという意味である。
 GDRは加盟国が出資しプールしてある基金を利用する権利であるのに対し、SDRはそのための出資を必要としない。加盟国の合意により発行総額が決まると、IMFにおける出資割当額に比例して配分され、IMFに設けられた特別勘定に振り込まれ、貸借記帳により運用される。国際収支が悪化した際には、IMFの指示のもとに自国保有のSDRを他の参加国に渡し、必要とする外貨を入手する。SDRの配分を受けた参加国は、その配分額に応じてIMFの通貨提供の指示に従う義務をもち、受け取ったSDRは自国の準備資産として保有する。なお、SDRを使用した国は、IMFを介して通貨提供国に利子を支払わなければならない。SDRの使用限度は、当初、5年間を平均して配分額の70%となっており、それを超えると復原(使用したSDRを買い戻すこと)の義務があったが、1979年からは85%に緩和され、さらに81年には100%に引き上げられて、復原の義務はなくなった。
 SDRの第一次創出は1970年から3年間にわたって3回、合計94億SDRが創出・配分された。その後6年間新規配分は停止されていたが、79年に第二次創出が決まり、81年までの3年間に合計120億SDRが追加創出され、配分された。SDRの価値は、当初は金によって表示され、1SDRは純金0.888671グラムに等しいとされたが、それは当時の1米ドルの価値に等しかった。その後、先進主要通貨が変動為替(かわせ)相場制へ移行したのに伴って、SDRの価値も金表示をやめ、世界貿易での比重が大きい16か国の通貨価値の加重平均(標準バスケット方式)で決めることになり、さらに81年には計算の簡便化を図るため主要5か国(アメリカ、イギリス、ドイツ=スタート時点では西ドイツ、日本、フランス)通貨のバスケットに改正された。バスケットのなかの各通貨の額は86年からは5年ごとに改定されるようになっている。
 1978年のIMF協定改正では金廃貨が決まり、SDRは金にかわるものとして期待されたが、現状では創出額の規模も小さく、またその使用に際しては制約もあり、国際通貨としては発展途上にある。[土屋六郎]
『尾崎英二著『SDR』増補版(1973・東洋経済新報社) ▽加瀬正一著『SDRの知識』(日経文庫)』

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世界大百科事典内のSDRの言及

【IMF】より

…本部ワシントン。加盟国数181ヵ国(1996年末現在),出資割当総額(IMF協定により5年ごとに見直される)は約1453億SDR(1996年末)。1944年7月アメリカのニューハンプシャー州ブレトン・ウッズでの連合国通貨会議において第2次大戦後の通貨体制(ブレトン・ウッズ体制)が合意された。…

【国際通貨制度】より

…1950年代末から始まったドル不安は,アメリカの金準備の減少とドル流出の増大の結果である。
[通貨混乱とSDR]
 各国にとって,その国際収支の赤字累積はその国の固定相場の維持を困難にする。ドル獲得のためその国の通貨を為替市場で売却するからである。…

【ドル】より


[国際通貨]
 市場経済体制あるいは資本主義体制をとる一つの経済内部において,その円滑な経済の発展にとって通貨は重要であるが,それと同様に国際経済社会においても,貿易や国際資本移動が円滑に行われるためには国際通貨が不可欠である。1995年末現在,国際通貨として世界的に用いられているものには米ドル,ユーロダラー,金,SDR(IMF特別引出権),ドイツ・マルク,円,フランス・フラン,イギリス・ポンド等があるが,ドルはこのなかで6~7割を占め,支配的地位を占める通貨である。ドルの国際通貨としての具体的役割は価値尺度のほか,決済通貨,介入通貨,準備通貨等である。…

※「SDR」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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