XML(読み)エックスエムエル(その他表記)Extensible Markup Language

デジタル大辞泉 「XML」の意味・読み・例文・類語

エックス‐エム‐エル【XML】[extensible markup language]

extensible markup languageマークアップ言語の一。文書データの論理構造意味を記述するタグを独自に指定することができ、拡張性に富む。拡張マークアップ言語

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図書館情報学用語辞典 第5版 「XML」の解説

XML

W3Cが開発した自己記述可能なマークアップ言語SGMLの後継言語で,SGMLが高機能である一方で複雑すぎた反省から,より単純化された規格となっている.最も大きな特徴は,文書作成者がその文書独自の構造を表現する規則を作成できることであり,これがXMLの高い拡張性を実現している.XMLの目的はインターネット上の文書形式を標準化することであり,HTMLウェブページを記述するためだけであるのに対して,データ交換などの広い範囲を扱っている.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「XML」の意味・わかりやすい解説

XML
えっくすえむえる
eXtensible Markup Language

拡張可能マークアップ言語。HTMLなどインターネット上でのデータ形式の標準化委員会であるWWWコンソーシアム(W3C)が1998年2月に仕様を公開した。

 これまでネットワークを使ってデータをやりとりする場合、お互いにどのような形式や順番でデータを送信するのかということを決めておかなければならなかった。しかし、これではインターネット時代における不特定多数とのデータ交換に支障をきたす。そこでデータにタグとよばれるデータの意味を付け加え、相手はどのようなタグを自分のデータとしてどのように扱えばよいかを定義するというもの。HTMLで使われるタグはあらかじめ定義されているのに対し、XMLではタグの定義ができる。コンピュータの内部データ形式としてXMLでもつものもあるが、データを送信するときにXML形式に変換して送り出すものもある。

 このXMLというデータ形式を使ってコンピュータ間の通信をすることは重要な要素技術である。2000年12月にマイクロソフト社は「.NET」(ドット・ネット)というXMLを使ったネットワークコンピューティングの構想を発表した。XMLを使ってコンピュータ間が通信できるようになると、一つの仕事を複数のコンピュータが協調して処理できるようになったり、一つのコンピュータではできないような処理ができるようになるため、コンピュータを使った処理そのもののあり方を大きく変えてしまう。このようにインターネットを使って複数のコンピュータどうしが通信しあうネットワークサービスを「ウェブ・サービス」といい、ネットワークコンピューティングの中核になっている。XMLを使った同様な構想はサン・マイクロシステムズ社も発表しており、Sun One(サン・ワン)という名称でよんでいる。

[中島由弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「XML」の意味・わかりやすい解説

XML
エックスエムエル

インターネットでの使用に対応したマークアップ言語。extensible markup languageの略。インターネットのワールド・ワイド・ウェブ WWWで使用されていた HTML命令(タグ)を文書中に挿入して文書の構造をつくる言語であるが,その親ともいえる SGMLで可能な自由なタグの定義ができないなどの欠点があった。一方 SGMLはインターネットの使用について考慮されておらず,システムが巨大であり使いにくいという事情もあった。そこで自由なタグ定義など HTMLにない機能を加えたうえで拡張し,さらに SGMLの基本も取り入れ,電子文書の標準形式を決めるものとして 1998年に発表された。XMLから具体的な HTMLの拡張である XHTMLも生まれ,電子商取引などにも大きな影響を与えた。

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パソコンで困ったときに開く本 「XML」の解説

XML

HTMLを発展させた規格です。「eXtensible Markup Language」の略称です。HTMLはウェブページを表現するために作られた規格で、ページの本文と一緒に、デザイン的な情報や他のページへのリンク情報などを書き込んでおくことができるようになっていました。XMLはさらに用途を広げて、単にブラウザで見るウェブページだけでなく、幅広い意味でのデータを表現する規格として使われることを前提に作られています。例えば、書かれている数字が個数なのか、値段なのかといった情報の種類や意味などを書き加えることができるようになっています。また、HTMLでは本文と一緒に書き込める情報の種類はあらかじめ決められていましたが、XMLでは用途に応じて独自の情報を追加できるようになっています。
⇨HTML、RSS

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「XML」の解説

XML

ソフトウェアとデータの連携に重点が置かれたマークアップ言語。HTMLでは、定められた要素しか使用できないが、XMLでは制作者が独自の要素を定義して利用できる。これにより、文書中のデータの意味などを定義して付加できるようになった。たとえば、「この数値は価格、この数値は出荷日」などといった情報を要素として定義し、データを交換できる。ただし、各制作者がそれぞれに独自の要素を定めていてはデータ交換が難しくなり、結果として情報としての価値がなくなることから、各業界でXMLを基に、要素などを定義したマークアップ言語が策定されている。また、文の書式をスタイルシートで設定するため、HTMLで問題となっていた、同一文書内で文書構造を表す要素と書式を表す要素が混在する問題を回避できる。

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IT用語がわかる辞典 「XML」の解説

エックスエムエル【XML】

マークアップ言語のひとつ。文書の論理構造やデータ要素の意味を、利用者の目的に応じて自由に定義することができ、汎用性と拡張性に富む。文書の見栄えや書式はスタイルシートを用いる。電子商取引、流通業、科学、医療、金融、財務など、さまざまな業界や分野で独自に定義したXMLが策定されている。◇「extensible markup language」から。

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ホームページ制作用語集 「XML」の解説

XML

Extensible Markup Languageの略。文書やデータの意味、構造を記述するためのマークアップ言語の一つ。XMLは性質上、他のマークアップ言語の基盤として使用されることが多い。また、HTMLとは違いユーザーが独自のタグを定義することができるのもこの言語の特徴である。

出典 (株)ネットプロホームページ制作用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のXMLの言及

【電子ドキュメント】より

…このため,情報構造の表現と操作能力は飛躍的に向上したが,その表現の自由度が高いためにレイアウトの生成が一意に保証できない。最近,HTMLに論理構造を規定できるように拡張されたXMLが注目されている。(4)マルチメディアドキュメント 情報の内容形式が,テキスト,画像,図表,表等の時間的に静的な表現メディアでなく,アニメーション,ビデオ映像,音声,音楽等,時間的に表現される動的な表現メディアによって構成されるドキュメントをマルチメディアドキュメントと呼ぶ。…

※「XML」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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