点滴(読み)テンテキ

デジタル大辞泉 「点滴」の意味・読み・例文・類語

てん‐てき【点滴】

したたり。しずく。また、あまだれ。
からかさを打つ―も聞こえず」〈鴎外ヰタ‐セクスアリス
点滴注射」の略。
[類語]水滴滴り余滴一滴雨滴雨粒雨垂れ水玉

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精選版 日本国語大辞典 「点滴」の意味・読み・例文・類語

てん‐てき【点滴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水のしたたり。しずく。また、あまだれ。「点滴岩を穿(うが)つ」
    1. [初出の実例]「一声杜宇客膓裂、況此芭蕉点滴多」(出典:幻雲詩藁(1533頃)一・客舎聴雨)
    2. [その他の文献]〔杜牧‐夜雨詩〕
  3. ( ━する ) 水がしたたること。また、したたるようにそそぐこと。
    1. [初出の実例]「或は此塩少許に〈略〉醇厚の硫酸を点滴すれば劇く焚て消散す」(出典:舎密開宗(1837‐47)内)
  4. ( ━する ) 「てんてきちゅうしゃ(点滴注射)」の略。
    1. [初出の実例]「葡萄糖注射の点滴らしい装置がしてあり」(出典:変容(1967‐68)〈伊藤整〉一五)

点滴の補助注記

は、「医語類聚〈奥山虎章〉」(一八七二)に「Instillation 点滴法」とあるが、中国のロプシャイトの「英華字典」や、その影響を強く受けた日本の「附音挿図英和字彙」(一八七三)にはないところから、の挙例「舎密開宗」のような用法を起源とする蘭学系の訳語である可能性が高い。

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百科事典マイペディア 「点滴」の意味・わかりやすい解説

点滴【てんてき】

点滴注射とも。薬液,電解質液,栄養素などを静脈内に一定時間に一定量投与する注射法の一種。注入液量の多い時,薬物血中濃度を保ちたいときなどが適応で,脱水症や低栄養状態,外科手術の際などに行われる。→輸液
→関連項目注射器

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改訂新版 世界大百科事典 「点滴」の意味・わかりやすい解説

点滴 (てんてき)

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普及版 字通 「点滴」の読み・字形・画数・意味

【点滴】てんてき

しずく。

字通「点」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の点滴の言及

【注射】より

…溶液にした薬剤を注射器によって,直接体内に注入すること。輸液などに際して行われる点滴も広義には注射に含まれる。薬剤の投与方法にはほかに内服,外用などがあるが,注射はこれらの方法に比べ,効果が早く現れること,確実に吸収されること,高濃度の利用が可能なこと,内服不能な患者にも薬剤を投与できること,などの利点がある。…

【中心静脈栄養】より

…しかし,必要熱量を血管から補給するには,ブドウ糖とアミノ酸から成る高浸透圧の液が必要であり,これを末梢静脈から注入すると,静脈炎をひき起こす結果になる。このため,心臓に戻ってくる大量の血液で注入液が希釈されるよう,中心静脈まで管を挿入してゆっくり点滴注入するこの方法が編み出された。末梢静脈から注入する液よりも高カロリーの液を注入することから,高カロリー輸液とも呼ばれ,また,最近では脂肪製剤,ビタミン類,ミネラルなども加えた総合的な栄養補給が可能となったのでTPN(total parenteral nutrition)ともいわれる。…

【輸液】より

…注入経路は主として静脈内であるが,皮下に注入することもある。静脈内への輸液は点滴または点滴注射intravenous drip infusionという。点滴はかつてはガラス製の点滴瓶にゴム管を連結したものを用いたが,最近では使い捨て可能なプラスチック製の輸液セットに輸液瓶をつないだ装置が用いられる。…

※「点滴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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